はじめに
先日の記事で書きました通り、私の投資スタンスは「長期ほったらかし投資」です。
一度購入した銘柄は保有し続けるのが基本ですが、過去に一度だけ保有銘柄を売却したことがあります。
「SPXL」という「S&P500指数の日々の値動きの3倍を目指すレバレッジETF」を売却しました。
今回の記事では、私がこれまで行ってきたレバレッジ商品への投資について書いてみたいと思います。
SPXLについて
私はこれまで2つのレバレッジ商品を購入したことがあります。「SPXL」と「楽天レバナス」です。
SPXLにつきましては、私が投資を始めた2020年2月の時点で、「一般NISA口座」に加えて、「特定口座」でも購入していました。
そもそもレバレッジ商品は投資初心者が買ってよい商品ではないですが、ネット情報に踊らされて手を出してしまったのです。
コロナショックでほぼ全てのETFが値下がりする中で、高配当ETF(VYM、HDV、SPYD、DVY)とともに、SPXLもナンピン買いしていました。
レバレッジETFですので、値下がりするときには半端なく下がります。下がり続けて含み損が拡大する中、何度かナンピン買いしたのですが、それ以上買い増していくことが怖くなってしまいました。
また当時、SPXLについてネット上では、単に値下がりするリスクだけでなく、強制償還されるリスクがあるとの噂が出回っていました。
株価が下がるだけならともかく、株価が下がったところで強制償還されてしまっては大損です。
そのような中私は、「投資元本くらいまで価格が回復したら売却する」との判断に至りました。
楽天証券の取引履歴を確認しますと、「2020年6月9日」に「SPXL294株」を、「売却単価@48.00ドル・総額約152万円」で売却しています。約9万円の売却益でした。
なお、売却したのは「特定口座」で保有していた分のみで、一般NISA口座分は現在も保有し続けています。
2023年5月9日現在のSPXLの株価は「73.80ドル」となっていますので、現在まで持ち続けていれば、為替変動分も加味して100万円以上の含み益だったはずです。失敗しました。
楽天レバナスについて
以前の記事にも書きましたが、2022年にNASDAQの株価が大きく下げる中で、投資を始めたのが楽天レバナスです。楽天レバナスは、「NASDAQ100指数の2倍の値動きを目指した投資信託」です。
レバナスは異なる金融機関から複数の商品が発売されており、最も有名なのは「大和レバナス」です。
その中で私が楽天レバナスを選んだのは、当時最も信託報酬が安かったのもありますが、株価が分かりやすかったからです。
楽天レバナスは「2021年11月」に運用が開始されました。投資信託ですので最初の基準価額は「1万円」になりますが、ちょうどその頃がNASDAQ100指数の最高値だったのです。
すなわち、楽天レバナスの価格を見れば、NASDAQ100指数の最高値からの下落状況が分かるということです。
私は楽天レバナスの基準価額が5千円を切ったあたりから買い始め、何度かに分けて購入しました。最も安く買ったときは3千円台でした。
現在はスポット購入は止めていますが(積立購入は継続)、投資内容は以下の通りとなっています。
【現在の楽天レバナスの投資内容】
平均取得価額:@4,258円
保有口数 :1,244万口
保有総額 :661万円
含み益 :131万円(+25%)
含み益が+25%程度出ている状況ですが、この程度のプラスはレバレッジ商品の場合、数日で吹き飛ぶ程度の利益ですので、全く安心していません。
おわりに ~レバレッジ商品への投資における留意点~
SPXLでの投資の失敗は、当時は現在ほど「握力」が強くなかったことで、値下がりにびびってしまったことです。
当時は確か、特定口座で保有しているSPXLの含み損が▲100万円くらいにまでなっていました。
投資を始めて間もない頃でしたので、一つの商品でそれだけの含み損を抱えるというのは、「当時の自分の許容範囲を超えていた」ということだと思います。
これまでのレバレッジ商品への投資経験から言えることは、以下の2つです。
①レバレッジ商品は、売買のルール、特に売却時のルールを事前に決めておくべきである。
②レバレッジ商品の投資総額は、あらかじめ枠を設けておくべきである。
①については、例えば「価格が○円になったら売る」とか、「含み益が○%になったら売る」といったルールを決めることが有効だと思います。
ちなみに私は、SPXL、レバナスともに、「投資額の2倍(+100%)になったら、躊躇せずに売る」ことにしています。含み損がいくらになっても売却しないという意味でもあります。
レバレッジ商品の過去の株価推移をみても、いったん「+100%」になったものが、あっという間に「+0%」まで下がるということは大いにあり得ることです。
②については、枠を決めずに投資額を拡大することはリスクが大きいと思います。
私は「レバレッジ商品への投資枠は保有資産総額の5%まで」と決めています。現在の保有資産が約1億7千万円であるとすれば、「含み益込みで850万円まで」ということになります。
その他、レバレッジ商品への投資で気をつけるべきなのは、あくまでも私見ですが、「レバレッジ商品は長期投資には向かない」ということです。
値動きが激しいため、大きく株価が下がったときに、まとまった金額をスポット買いし、上がったところで一括売却するのがよいと思います。
私はクレカ積立で楽天レバナスに投資しているのですが、本来は積立投資する商品ではないと思いますので、他の銘柄への切替を検討中です。
以上、私の浅い経験の中からではありますが、気がついたことを書いてみました。皆様のご参考になれば幸いです。