【国民年金】「納付期間5年延長案」に思うこと

FIRE・早期退職

はじめに

現在、厚労省(社会保障審議会年金部会)で、5年に一度の財政検証(公的年金の将来の給付水準の点検)が行われています。最近のニュースでもたびたび報じられていますので、みなさんもご存知なのではないでしょうか?

この財政検証において、国民年金保険料の納付期間を「5年延長」する案の試算が予定されています。この「5年延長」の是非について、巷では賛否両論があるようです。

「納付期間5年延長案」とは

厚労省での試算が予定されている「納付期間5年延長案」の概要以下の通りです。

【納付期間5年延長案】

国民年金保険料の納付期間は現在、「20歳~60歳」の「40年間」であるが、これが「20歳~65歳」の「45年間」に延長される。

延長に伴い、国民年金保険料の負担が、5年間で「約100万円増加」する。

5年延長した場合に、将来受け取れる年金給付額は増加する見込みだが、どの程度の増額となるかはこれから試算される。

試算結果は夏頃に公表される見通し。

私の考え

結論的に、「5年延長案」に対する私の考えは、「賛成」です。

そもそも、今後も少子高齢化が進むことが不可避である以上、年金財政が厳しくなっていくことは明らかです。「負担を増やす」か「給付を減らす」のいずれか、または両方を行うことは不可避です。これは仕方のないことだと思います。

もともと私がFIREをするに際して、将来の年金収入はあてにしていません仮に年金収入がゼロであっても、「FI」(financial independence=経済的自立)が可能であると判断したからこそ、退職しました。

蛇足ですが、これからFIREを考えている方は、将来の年金収入はないものと想定して資金計画を立てた方がよいと、個人的には考えています。

ニュース報道等を見ていると、「支払った保険料分の元が取れるか否か」という議論をよく目にしますが、個人的には「元を取る」という発想はありませんし、結果的に元が取れなくても全く構わないと思っています。それは、年金はあくまでも、「万一長生きした場合の保険」だと割り切っているからです。

私は年金については、可能な限り最大限の「繰下げ受給」を考えています。現在は「75歳」まで繰下げることが可能ですが、繰下げの上限年齢が上がれば、「80歳」以降であっても繰下げる予定です。極論、「結果的に年金が1円ももらえなくても構わない」と思っており、私がもらえなかった分は他の方に支給するための原資にしていただければよいと思っています。

保険料の負担を増やさない代わりに、将来の給付水準が大きく下がるのであれば、負担が増えたとしても、給付水準が維持ないし、若干の低下にとどまる方がよいと考えています。給付水準が大きく下がってしまうと、保険としての役割を十分に果たせなくなってしまうからです。

おわりに

少子高齢化が進む中で年金制度を維持するためには、いずれにせよ財源が必要になります。もし国民年金保険料の負担を増やさないとすれば、他のどこかで増税しなければなりません。

この点に関して私が最も恐れているのは、「金融所得課税」(株式売却益や配当等への課税)における増税です。現在は「約20%」ですが、これが「30%」になることの影響は、私の場合、国民年金の「納付期間5年延長案」の比ではありません

私の楽天証券口座の含み益は、現在「約4,000万円」あります。もし保有している銘柄を現時点で全て売却した場合、売却益に対する税金は「約800万円」(約4,000万円×税率20%)ですが、もし税率が「30%」に上がると、「約1,200万円」(約4,000万円×税率30%)と、「+400万円」も税金が増えることになります。

いずれは金融所得課税も増税は避けられないと思いますが、負担が増えるのであれば、正直なところ、自分に影響の少ないところから増えていって欲しいと思っています。国民年金の「納付期間5年延長案」は、自分にとってはさほど影響が大きいとは考えていません

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