はじめに
退職後に必要となる公的手続には以下の3つがあります。
【退職後に必要となる公的手続】
・健康保険の切替手続
・国民年金の加入手続
・失業保険の申請手続
今回は「国民年金編」と題しまして、退職後の「国民年金の加入手続」や、「国民年金保険料の支払手続」につきまして、書きたいと思います。
なお、本ブログ記事におきましては、「退職後にしばらく再就職せず、無職となる方」を前提としておりますことをご留意ください。
また、配偶者の被扶養者となる方(「第3号被保険者」)や、免除申請をされる方も本ブログ記事の対象から除きます。
以下のブログ記事は、私(東京23区在住)の体験に基づくものであり、他の自治体によっては、手続内容等が異なる場合がありますことをご了承ください。
年金に関する退職後の手続
会社員として「厚生年金」に加入していた人(「第2号被保険者」)は、退職後に「厚生年金」から脱退することになります。
そのかわりに、「第1号被保険者」として「国民年金」への加入が必要になります。
「国民年金」に加入する期限は「退職日の翌日から14日以内」となっていますので、注意が必要です。
国民年金の加入手続(区役所)
国民年金に加入するための必要書類
国民年金に加入するために必要となる書類は以下の3つです。
A.退職日が確認できる書類(「退職証明書」「離職票」等)
B.基礎年金番号が確認できる書類(「年金手帳」等)
C.本人確認書類(「運転免許証」「マイナンバーカード」等)
Aについて、私の場合は、国民年金加入手続を行った「6月5日」時点では、「離職票」が会社から届いていなかったため、「退職証明書」を持参しましたが、問題なく手続きできました。
国民年金に加入するための必要手続
市区町村役場の「国民年金窓口」で手続を行います。
私は区役所の本庁舎ではなく、自宅に近い出張所(○○事務所)に行きましたが、問題なく手続きできました。
ただし、私としては保険料の「付加納付手続」や「前納手続」も併せて行いたかったのですが、それらの手続は出張所ではできず、年金事務所に行って手続きしてほしいとのことでした。
したがいまして、私の場合は最終的に、区役所(出張所)と、年金事務所(日本年金機構)の2か所に行くことになりました。
私が区役所(出張所)で行った国民年金加入手続の流れは以下の通りでした。
①出張所の年金担当窓口で整理番号を発券。
②番号が呼ばれたら、窓口で「退職に伴い国民年金に加入したい」旨伝え、「退職証明書」「年金手帳」「運転免許証」を提示。
③担当者の作業のため一旦待合席に戻る。
④呼び出しがあったら窓口に行き、国民年金の加入手続終了。
「付加納付」のチラシや、「国民年金保険料クレジットカード納付申出書」「国民年金保険料口座振替納付申出書」をいただくとともに、支払関連の手続は「年金事務所」に行くよう案内される。
手続きは待ち時間を含め、全体で30分程度かかりました。
6月5日(月)の昼頃に行ったのですが、待ち時間は20分くらいでした(3~4人待ち)。
国民年金保険料の支払手続(年金事務所)
区役所(出張所)で国民年金への加入手続が終わった後、同じ日に「年金事務所」に場所を移して、保険料の支払に関する手続きを行いました。
保険料の支払方法
保険料の支払方法としては、以下の3つがあります。
A.納付書による支払い(スマホアプリ、コンビニ、銀行等)
B.銀行口座からの引き落とし(口座振替)
C.クレジットカード払い
Aについて、対応している主なスマホアプリは以下の通りです。
楽天ペイ
PayPay
d払い
auPAY
このうち楽天ペイは楽天キャッシュを使うことでポイントがもらえる他、ポイント(期間限定ポイント含む)を使った支払いも可能であるというメリットがあります。
楽天キャッシュをどのようなルートでチャージするのか(どのようなルートで楽天ギフトカードを購入するのか)によっても、付与されるポイント還元率が変わってきます(チャージ方法によっては3%~4%程度の還元率も狙えるようです)。この辺りは非常に複雑です(詳細はYouTubeにいろいろな方が動画をあげています)。
前納について
国民年金の保険料は前納することで割引があります。詳細はこちらのページをご参照ください。
「6か月前納」「1年前納」「2年前納」のうち、最も割引額が大きいのは「2年前納」です。
個人的には、資金的に余裕があれば、「2年前納」がよいと思います。
付加納付について
以前の記事にも書きましたが、付加納付分のコストは、年金支給後、2~3年で元が取れますので、個人的には「付加納付」はした方がよいと考えています。
私が選んだ支払方法
結論的に、私は「2年前納」「付加納付あり」「エポスゴールドカード払い」とすることにしました。
なお、6月5日に年金事務所でクレジットカード払い(2年前納)の申出書を提出した場合、2023年6月~2024年3月までの「10か月分」はクレジットカード払いができません。同10か月分は納付書による支払いになります。
2024年4月~2026年3月までの「24か月分」から、クレジットカードでの「2年前納」がスタートする形です。2024年4月頃に、クレジットカードでの引き落としの案内が自宅に届くとのことでした。
上記「10か月分」については、単月ごとの支払いとせず、「10か月分の一括払い(前納)」とすることで、保険料が安くなります。私の場合は、毎月の支払いの場合と比較して、▲2,460円安くなるとのことでした。
以上をまとめますと、最終的に私の場合は、以下の通りとなります。
【私の国民年金保険料支払方法】
A.2023年6月~2024年3月までの「10か月分」:
納付書による「10か月分一括払い(前納)」。
納付金額は「166,740円」。納付期限は6月30日。楽天ペイアプリで楽天キャッシュを使って支払う予定。
B.2024年4月~2026年3月までの「24か月分」:
「エポスゴールドカード」による「2年前納」。
エポスゴールドカードの「選べるポイントアップショップ」で「国民年金」を選択することで、支払額の1.5%~2.5%還元。
どの支払方法がベストか?
楽天ペイ等のアプリで支払うのか、あるいはクレジットカード払いや銀行口座振替等とするのかについては、「万人にとってベストな方法」はありません。
「前納」や「付加納付」をすべきか否かについても同様です。
それぞれの方の状況によって、また、その時その時で、どの方法がベストかは変わってきます。
私の場合は、シンプルな方法がよいと思いましたので、「エポスゴールドカード」を使ったクレジットカード払いにしました。
楽天ペイによる支払いも魅力的ではあるのですが、ポイント関連では日々お得な方法が変化しています。新たな方法が登場したり、これまでお得であった方法がお得でなくなったりします。
楽天キャッシュをチャージするまでの手間があることに加え、楽天ペイで納付書払いを行う際の1回当りの支払い上限が「30万円まで」であることから(2年前納の場合の納付額は30万円を超えます)、私は「エポスゴールドカード」での支払いにしました(もちろん、エポスゴールドカードの「選べるポイントアップショップ」が改悪される可能性もあります)。
クレジットカード払いは、納付書による支払と異なり、支払い忘れがないこともメリットだと考えています。
「前納」「付加納付」「クレジットカード払い」のための年金事務所での手続
私が「年金事務所」で行った手続は以下の通りです。
①年金事務所の窓口で整理番号を発券。
②番号が呼ばれたら、窓口で「年金手帳」「運転免許証」を提示。
「2年前納」「付加納付あり」「クレジットカード払い」が希望である旨伝え、「国民年金保険料クレジットカード納付申出書」「国民年金付加保険料納付申出書」を提出。
③担当者の作業のため一旦待合席に戻る。
④呼び出しがあったら窓口に行き、「6月~来年3月までの10か月分保険料納付書」「国民年金保険料クレジットカード納付申出書(控)」を受け取って終了。
手続きは待ち時間を含め、全体で60分程度かかりました。私は担当者にいろいろ質問したので長くなりましたが、書類の提出等だけであれば、もう少し短くて済むと思います。
6月5日(月)の午後に行ったのですが、待ち時間は15分くらいでした(3~4人待ち)。
なお、「国民年金保険料クレジットカード納付申出書」には、クレジットカード情報(カード番号、有効期限)の記載が必要になりますので、年金事務所にはクレジットカードを持参するとよいです。
また、一旦「クレジットカード払い」としたものを「請求書払い」に戻すことも、手続きをすれば可能です。
おわりに
6月~来年3月までの「10か月分」については、納付書が手元にありますので、すぐに楽天ペイで支払おうと考えています。
今回、国民年金の手続をしたのですが、健康保険の任意継続手続と比較して、とても時間がかかりました。
その要因は、区役所(出張所)だけでは手続が完結せず、支払関連の手続のため、年金事務所にも行かなければならなかったことによります。
例えば年金事務所でワンストップ対応してもらえればありがたいのですが、難しいのでしょうか?
特段支払方法にこだわりがなく、毎月の納付書で支払えばよいという方は、区役所での手続のみで終了ですが、「前納」「付加納付」「クレジットカード払い」については年金事務所で手続きすることになりますので、ご注意ください(内容によっては、郵送での手続きも可能なようです)。
ひょっとすると、他の自治体では1か所で手続きが済む可能性もありますので、事前に役所に問合せされることをお勧めします。
「【完全版】退職手続マニュアル④(楽天ペイでの国民年金保険料支払)」につづきます。