「給料は安いが楽な仕事」など存在しないという現実

FIRE・早期退職

はじめに

巷ではよく、「会社を退職して、楽な仕事をして過ごしたい」という人がいます。「現在保有している資産だと、全く働かないのは難しいが、楽な仕事で月10万円程度稼げば、フルタイムで働かなくて済み、現在のストレスフルな環境から逃れられるのではないか」との考えです。

しかし私は、「給料は安いが楽な仕事」など存在せず、上記のような考えは幻想にすぎないと考えています。

なお、本記事で書いていることは一人の無職の戯言ですので、その点はご了承ください。

「給料は安いが楽な仕事」など存在するのか?

私は25年間会社員をやっていました。その経験から言えることは、「給料が安い仕事ほどきつい仕事であり、給料が高い仕事ほど楽な仕事である」ということです。多くの人は、「給料の多寡」と「仕事のきつさ」は比例していると考えていますが、私は逆だと思っています

あくまでも私が勤務していた会社内での話ですが、新入社員であるほど仕事がきつく、出世すればするほど仕事が楽になっているように思います。だからこそ、社員の多くは出世を目指しているわけです。もし出世すればするほど仕事がきつくなるのであれば、出世を目指す人はもっと少ないのではないでしょうか?

人は「出世すれば、仕事内容の割に沢山の給料がもらえるので、出世を目指す」のです。「出世すれば給料も増えるが、割に合わない」という感じだと、誰も出世を目指さないでしょう。

会社としても、出世することが魅力的であると社員に思わせなければ、社員の士気が落ちてしまい、誰も仕事を頑張らなくなってしまいますので、出世するほど待遇をよくするはずです。

「給料は安いが楽な仕事」をすることを前提に、会社を退職する人は、はたしてどのような仕事を想定しているのでしょうか?マクドナルドでのアルバイトでしょうか?マックのバイトは楽な仕事なのでしょうか?私にはそうは思えません

マックのバイトにはマックのバイトなりの大変さがあり、ストレスがたまるものであることは容易に想像ができます。ひょっとすると、マックのバイトで感じるストレスと、フルタイムの仕事で感じるストレスは大差ないかもしれません。だとすれば、フルタイムの仕事の方が効率的に稼げるのではないでしょうか。「マックでのバイトは大変な割に稼げる金額も少なく、効率が悪い」と思えてしまい、「フルタイムの仕事を辞めなければよかった」と思うのがオチだと思います。

おわりに

私は、退職後に働くか否かは別にして、「少しでも働かないと生活が成り立たない状態で退職するのはやめよう」と決めていました。退職するのであれば、セミリタイアは眼中にありませんでした。それは、「給料は安いが楽な仕事」など存在しないと考えているからです。

退職後にもし働くことがあれば、それは「生活費のために働く」のではなく、「暇つぶしやその他の理由で働く」ということです。私自身も、「生活費以外の理由」で今後働くことはあり得ると思っています。

「給料が安い仕事」はあります「楽な仕事」もあります。しかし「給料は安いが楽な仕事」は存在しないと思います。存在するのは「給料が安く、きつい仕事」か「給料が高く、楽な仕事」ですが、「給料が高く、楽な仕事」に就けるのは出世レースに勝った一部の人だけであり、セミリタイアした人が簡単に就けるものではありません

セミリタイアした高齢者が就けるのは、極論すれば「給料が安い上に、子供くらいの年齢の若者に罵倒されながら働くような仕事」だと思います。そんな仕事でもやらなければ生活できない状況だとしたら、それは地獄でしかありません。退職せずにフルタイムで働いた方が、はるかに効率的に稼げますし、ストレスも少ないはずです。

ただし、ある種の資格(例えば医師免許等)を持っている人は別です。「資格者」として存在するだけでお金がもらえるような仕事も存在します。私は残念ながら、そのような資格を持っていなかったため、セミリタイアという選択肢は取れませんでした

「給料は安いが楽な仕事」をすることを前提に、現在の仕事を辞めようと思っている方は、本当にそんな仕事に就けるのかを、今一度考え直してみた方がよいと思います。

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