はじめに
12月1日に楽天証券から、為替手数料を無料にするとの発表がありました。しかし、ここに至るまでの3日間には各証券会社の顧客獲得を巡る熾烈な競争がありました。
楽天証券が為替手数料無料化に至った経緯
楽天証券が為替手数料無料化に至った経緯は以下の通りです。
11月29日:楽天証券より、為替手数料を3銭にするとの発表
11月30日:SBI証券より、為替手数料を無料にするとの発表
12月1日:楽天証券、松井証券が、為替手数料を無料にするとの発表
もともと楽天証券は、キャンペーンという形で、通常「25銭」の為替手数料(片道)を「3銭」にしていました。私もキャンペーンの都度、エントリーしていました。
このような中、11月29日に楽天証券から、キャンペーンという形ではなく、恒久的に為替手数料を「3銭」にするとの発表がありました(実施は12月1日約定分から)。この時点で「3銭」が業界最低水準になりました。
これを受けてその翌日の11月30日に、SBI証券から、恒久的に為替手数料を無料にするとの発表がありました(実施は12月1日約定分から)。
この時点で私は、「SBI証券ならやりそうなことだな」と思うとともに、このままだと楽天証券は負けてしまうが、どう出るのだろうかと、少し不安になっていました。なんとか楽天証券には反撃してほしいと思っていました。
そんな中12月1日になり、楽天証券及び松井証券から、恒久的に為替手数料を無料にするとの発表がありました。
私は「楽天証券よくぞやってくれた」と安堵しました。
おわりに ~楽天が果たしてきた役割~
松井証券のホームページによれば、現在の各証券会社の為替手数料は以下の通りとなっています。
私は新NISAでは今のところ、1,800万円全額を投資信託にしようと考えていますので、今回の為替手数料無料の恩恵は受けられませんが、今後米国ETF等を特定口座で購入することもあると思いますので、無料化はとてもうれしいです。
今回の騒動は、もともと楽天証券が為替手数料を「3銭」に引き下げたことが発端ですが、はじめから「無料」にするのではなく「3銭」と刻んだところに、楽天の余裕のなさが感じられます。
ただ、楽天証券、SBI証券、松井証券の3社が為替手数料を無料にしたきっかけをつくったのは楽天証券です。証券会社同士が競争するのはとてもよいことだと思います。1社の寡占状態になってしまうと、サービス向上が期待できないからです。
考えてみれば、楽天はいろいろな分野で同業他社に競争を仕掛け、結果として価格引き下げやサービス向上といった消費者のメリットにつながっているように思います。
例えば、楽天市場があるからアマゾンは好き勝手できないわけですし、楽天モバイルがあるからドコモやau、ソフトバンクは好き勝手できないわけです。特に、携帯電話料金が現在の水準まで下がったのは楽天モバイル参入のおかげだと思っています。
その意味で楽天グループが果たしてきた役割はとても大きいと思います。足下では楽天モバイルの苦戦によりぱっとしない状況が続いていますが、楽天グループには今後もよい意味での「悪役」として、消費者のためになるような競争をどんどん仕掛けてもらいたいと思います。