新NISAに向けた金融機関変更検討②(投信保有ポイント比較)

節約・ポイ活

はじめに

私は現在、楽天証券で一般NISA口座を開設していますが、来年から始まる新NISAについては、楽天証券以外(SBI証券ないしマネックス証券)での口座開設も検討しています。

私が金融機関変更を検討することになったきっかけは、楽天証券で、投資信託の保有額に応じたポイント還元(投信保有ポイント)が大幅改悪されたことです。

前回の記事では、金融機関の変更を行う場合に必要な手続きについて書きましたが、今回は、各証券会社を「投信保有ポイント」の観点で比較してみたいと思います。

楽天証券の投信保有ポイント

楽天証券では、かつては、投信保有残高に応じて、毎月ポイントが付与されていました。しかしそれが改悪され、現在では、毎月末時点の投信残高(保有している投信の銘柄は問わない)が一定額(基準残高)に達した場合のみ、ポイントが付与される形になっています。

各基準残高に達した場合、一回限りでポイントが付与されますので、最高でも「2,090ポイント」しかもらえません。新NISAで1,800万円投資する場合は、「1,590ポイント」になります(投信の価格が上昇して2,000万円に到達すれば「2,090ポイント」)。事実上、投信保有ポイントが廃止されたといっても差し支えないと思います(画像は楽天証券公式ページより)。

※以上合計「2,090ポイント」

SBI証券の投信保有ポイント

SBI証券の投信保有ポイントは、投信マイレージサービスという名称で実施されています。

具体的なポイント付与率は、保有している投資信託によって異なります。例えば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」であれば「保有金額×0.0326%」です。

仮に新NISAで、成長投資枠、つみたて投資枠ともに、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で投資する場合同銘柄で1,800万円まで投資できることになります。

「1,800万円×0.0326%=5,868ポイント」が毎年もらえることになります。厳密には、投信の価格が上昇すれば、付与されるポイントも増えることになります。

マネックス証券の投信保有ポイント

SBI証券と同様に、ポイント付与率は、保有している投資信託によって異なります詳細はこちらをご参照ください。例えば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」であれば「保有金額×0.03%」です。

「1,800万円×0.03%=5,400ポイント」が毎年もらえることになります。投信の時価に対してポイントが付与されるのも、SBI証券と同じです。

投信保有ポイントの比較結果

各社の投信保有ポイントを比較した結果(「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で1,800万円投資する場合)は、以下の通りでした。

【各社の投信保有ポイント】

楽天証券:1回限り1,590ポイント

SBI証券:毎年5,868ポイント

マネックス証券:毎年5,400ポイント

以上を踏まえると、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資する場合、投信保有ポイントの観点ではSBI証券が最もお得ということになります。

投信を保有する期間が長くなればなるほど、各証券会社から得られるポイントの差が大きくなります。仮に、1,800万円の投信を20年間保有すれば、SBI証券では「117,360ポイント」(投信の価格上昇分は考慮しない)もらえますが、楽天証券では「1,590ポイント」(「残高1,500万円に到達した場合」までのポイント)しかもらえず、その差は「115,770ポイント」となります。

なお、そもそも投信保有ポイントの対象は「投資信託」ですので、新NISAで投資信託をあまり購入しない場合(例えば、投資信託はつみたて投資枠の600万円のみ購入し、成長投資枠1,200万円は個別株を買う等)は、投信保有ポイントの影響は限定的になります。

おわりに

以上の比較は、あくまでも投信保有ポイントのみの観点での比較です。投信保有ポイント自体が、今後いつまで続くかは分かりません。SBI証券やマネックス証券の投信保有ポイントが、楽天証券のように改悪される可能性もあります。

個人的には、新NISA開始後に、ある程度の顧客数が獲得できたら、SBI証券やマネックス証券も投信保有ポイントを改悪してくるのが自然だと思っています。

逆に、楽天は今でこそ、モバイル事業の赤字で苦戦していますが、モバイル事業を含めたグループ総体での業績が上向いてくれば、投信保有ポイントについて改善する可能性もゼロではありません。

何が言いたいかと申しますと、「投信保有ポイントは一時的なものであると考えた方がよく、金融機関選択に際して重視しすぎるのはいかがなものか」ということです。20年後に、今と同じ条件でSBI証券が投信保有ポイントを実施しているとは、とても思えません

私は楽天、SBI、マネックスの3つとも証券口座を持っていますが、「使いやすさ」では楽天がダントツだと思っています。また、私は楽天が好きで、楽天経済圏で生活している人間です。カード、証券、銀行、トラベル、市場、モバイル、ひかりなどを使っています。もちろんダイヤモンド会員ですし、SPUは8.5倍です。Vポイントやマネックスポイントも貯めてはいますが、日常的には楽天ポイントがメインです。最近、楽天はいろいろ言われていますが、楽天には頑張ってほしいと思っていますし、応援しています

投信保有ポイントをさんざん比較しておいて、最後は「楽天が好きだから楽天証券にします」では、比較した意味が全くないのですが、結局は「好きな証券会社を選べば、その選択は間違っていない」ということだと思います。

とはいえ、私はまだ、どの証券会社で新NISAをやるか決めたわけではありません10月以降に顧客が流出する可能性があるとの危機感は、楽天も持っていると思いますので、楽天が何らかの改善策を打ち出してくる可能性もあります。SBI証券やマネックス証券にも同様の動きがあるかもしれません。

早急に結論を出すことはせずに、各社の今後の対応を見守りたいと思います。

※本件については、引き続き記事にしていきたいと思います。

※2023年9月4日追記

8月31日に松井証券から、「最大1%貯まる投信残高ポイントサービス」開始の発表がありました。松井証券のポイント付与率は、SBI証券よりも高還元になっています。詳細はこちらの記事をご参照ください。

※2023年9月19日追記

マネックス証券が、「eMAXIS Slim 全世界株式」(全3本)の投信保有ポイントの付与率を「0.03%」から「0%」に変更しました。詳細はこちらの記事をご参照ください。

2023年10月30日追記

「10月27日」に楽天証券から、一部ファンドについて「投信保有ポイント」(投信保有残高に応じたポイント付与)を復活させるとの発表がありました。詳細はこちらの記事をご参照ください。

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