はじめに
先日ネットを徘徊していたところ、「パーキンソンの法則」について書かれたWeb記事がありました。
私はこの法則の名前は知らなかったのですが、内容についてはいろいろなところでよく目にする内容でした。
今回はこの法則について書いてみたいと思います。
パーキンソンの法則とは?
「パーキンソンの法則」とは、イギリスの歴史・政治学者であるパーキンソン氏が1958年に提唱した法則で、以下の2つの法則で成り立っています。
第一法則:「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
第二法則:「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」
特に第二法則については、節約界隈でよく目にします。「年収が上がると、暮らしも贅沢になり、結局お金が貯まらない」っていうやつですね。
第一法則について
パーキンソンの法則は、パーキンソン氏が当時の行政組織を研究して導き出した法則で、第一法則のもともとの内容は、「仕事の有無に関らず役人の数は一定割合で増加する」というものです。
この法則をみたとき、私は自分の勤務先のことを思い浮かべました。
私の勤務先の定年は60歳で、希望者については65歳まで再雇用される旨、就業規則に書かれています。
また、「役職定年制」を採用しており、役員に昇進しない場合は、55歳で役職を離れて給与も4割減となる仕組みになっています。
しかし、近年の世間での雇用延長の風潮等もあり、必ずしも上記のルール通りに運用されていません。
例えば、55歳を超えても部長職に留まっている社員がいます。この場合、部長職のポストが空かないことを意味しますので、下の社員の昇進の機会が奪われていることになり、部長未満の社員の数がどんどん増えています。
再雇用につきましても、60歳で退職する社員は少数派で、多くの社員が再雇用を希望していることから、部長の下で働く「元部長」や「元室長」といった方々の数がどんどん増えています。
このように「部長未満」の社員数が膨れ上がっている状況ですが、これらの社員の仕事量が減っているかというと、むしろ増加しています。それは、仕事が新たに作り出されているからです。
例えば、「元部長」が、新たに作られた肩書である「内部監査役」として、社内文書の内容や、取引先から受領した文書の不備等を事細かくチェックするようになりました。
チェックすること自体はよいことだと思うのですが、「内部監査役」はチェックすることが仕事ですので、いかに些細なことであっても、全てを指摘してきます。
その結果、指摘された社員はその対応のために膨大な時間を費やすようになりました。
退職しない社員のために無理やり新たな仕事を作り、そのために他の社員が無駄に忙しくなっているという、なんだか変な状況になっています。
第二法則について
第二法則については、例えば、「年収が2千万円もあるのに貯金が全くない人」の事例等を説明する際によく目にする法則です。
ただし、この法則については私には当てはまらないと思っています。
振り返ってみますと、新入社員時代から現在に至るまで、年収は増加してきましたが、支出額については、むしろ反比例して減少しているといってもよいと思います。
例えば、私は昔から音楽を聴くのが好きで、若手社員の頃はCDやレコード(70年代のロックが好きだったので、神保町の「ディスクユニオン」や渋谷の「ハンター」で中古レコードを購入していました)を月に20枚~30枚くらい購入していた時期があります。中古レコードだからといって安いわけではなく、むしろ「希少性」からプレミアがついているものがたくさんありました。
服についても、古着が好きでよく買っていました(当時明治神宮前にあった、「DEPTストア」「CHICAGO」といった店によく行きました)。節約の観点で古着が好きだったのではなく、古着のデザイン等が好きだったので、新品の服よりも値段が高いこともよくありました。
現在はこれらのお店には全く行っていません。音楽についてはYouTubeで事足りますし、服については最近10年はほとんど買っていません。
私の場合は、意識して貯金するようになってからは、お金が貯まれば貯まるほど、「お金を減らしてはいけない」という意識が強くなっていったように思います。「1円たりとも無駄な支出はしたくない」と考えるようになりました。
節約を心掛けている方の多くも、私と同じだと思います。
おわりに
以上、パーキンソンの法則の正しい内容とは異なる解釈をしているかもしれませんが、私の思うところを書いてみました。
なお私の場合、第二法則については例外があります。趣味である旅行その他、自分がお金をかけてもよいと思えることに関しては、収入に比例して支出が増えているように思います。
旅行で宿泊する旅館等のグレードは明らかに上がっていますし、パソコン等の「毎日使うもので買い替え頻度の少ないもの」にもお金をケチらないようにしています。
ようはメリハリをつけてお金を使うようになったということかもしれません。単にお金を使わないのではなく、必要だと思うことや、価値があると考えたことには支出を惜しまないということです。
今後お金をどのように使っていくのか、あるいは使わないでいくのかは、自分にとっての重要検討事項です。
最期に「よい人生だった」と思えるようなお金の使い方をしていきたいですね。