【驚愕】楽天証券からSBI証券への顧客流出状況が判明しました

資産運用・米国株投資

はじめに

楽天モバイルが巨額の赤字を継続していることを背景に、楽天グループの各種サービスで改悪が続いています楽天証券についてもクレジットカード積立のポイント還元率が引き下げられたり、投信保有ポイント(投信残高に応じたポイント付与)が事実上廃止されたりといった改悪が行われました。

このような中、来年の新NISA開始に向けて、10月からNISA口座の証券会社を変更する手続きが開始されました。当時ネットをみていても、多くの楽天証券ユーザーがSBI証券への移管を検討しており、楽天証券からかなりの数のユーザーがSBI証券に流出することが想定されていました。

この度、SBIホールディングスから、「2024年3月期 中間報告書」が開示され、その中で「楽天証券からSBI証券へのNISA口座変更件数」が明記されていましたので、紹介させていただきます。

楽天証券からSBI証券へのNISA口座変更件数

上記SBIホールディングスの中間報告書には、以下のグラフが掲載されています。

このグラフをみると、NISA口座変更手続が開始された10月時点で、楽天証券からSBI証券にNISA口座を変更した件数が「30,848件」(59,784件×51.6%)であることがわかります。

この件数をみてみなさんはどのような感想を持ちますでしょうか?ネットをみていますと、「3万件も流出しているなんて、楽天証券やばいじゃん」という感想が大方を占めているように思います。

私の感想

私は楽天経済圏の住人です。メインの証券会社は楽天証券で、一般NISAも楽天証券でやっています。SBI証券やマネックス証券等でもクレジットカード積立を行っていますが、こちらの記事に書きました通り、「楽天の方がSBIよりも好きだから」という理由で、新NISA口座についても楽天証券で開設することを決めました。

こんな私が上記の流出状況をみてまず感じたのは、「3万件しか流出していないの?(驚き)」です。正直なところ、私が考えていた流出件数よりも1桁以上少なかったです。楽天証券のNISA口座開設数は「500万口座」(詳細はこちら参照)ですので、3万件はわずか「0.6%」です。「0.6%」の流出なんて誤差だと思います。投資をやっている人であれば分かると思いますが、1日で株価が「0.6%」以上動くことなどざらです。その程度の動きということです。個人的には少なくとも「数十万件」(場合によっては100万件超)は流出していると思っていましたので、あまりの少なさに驚愕しました。

ただし、「3万件」は10月末時点で証券会社変更手続きが完了している件数であり、10月単月で数十万件も変更手続きが処理できるわけありませんので、11月以降にも流出が続くことが想像できます10月単月で、他社からSBI証券にNISA口座を変更した件数は、上記グラフによれば「約5万件」(59,784件マイナス10,302件)です。これが全て楽天証券からの変更だと仮定し、かつ変更ペースが1年間落ちないとすれば、年間の流出件数は「60万件」(5万件×12か月)となり、私の想定に近づきます

とはいえ、11月以降、楽天証券は10月の流出件数にびびったのか、いくつかの改善発表を行っています。一部ファンドでの投信保有ポイントの復活や、業界最低コストの全世界ファンド、S&P500ファンド開設、為替手数料無料化等です。これら改善を受けて、顧客流出は11月以降徐々に収まってきていると考えられ、最終的な流出件数は案外大したことにならなそうというのが、私の推測です。

ただ誤解していただきたくないのは、私は何も「流出が思ったよりも少なくてよかった」などとは考えていないことです。むしろ、楽天証券からSBI証券に、もっと顧客が流出してほしいと思っています。「流出件数が足りない」というのが私の本音です。

流出件数が増えれば増えるほど、楽天証券の危機意識が高まり、サービス向上(改悪されたサービスの改善を含む)につながると考えているからです。「3万件」程度の流出件数だと、楽天証券自身が「大して流出しなかったな」などと考えて、サービス改善の手を緩めてしまう恐れがあります。

おわりに

上記のグラフをみると、いかにSBI証券が楽天証券をライバル視しているかが分かります。楽天証券に対して敵意むき出しな感じがします。それはともかく、今回の流出件数をみて、正直なところSBI証券には期待はずれでした。楽天証券を応援している私からも「SBI証券どうした、その程度か。もっとがんばれ」といいたいです。

ちょっと脱線しますが、先日、楽天証券から口座数が「1,000万口座」を突破したとの発表がありました。対して、SBI証券は「1,100万口座」と発表しており、一般的にはSBI証券が国内最大手のネット証券とされていますが、SBI証券の「1,100万口座」にはグループ証券会社(SBIネオモバイル証券等)の数字が合算されています。かつては、SBI証券も単体での口座数を公表していたのですが、楽天証券に抜かれる前のタイミングで、しれっと公表を取りやめた経緯があります。私はSBIのこういうところがせこいと考えており、今一つSBIが好きになれない理由です。もしSBI証券が単体で、楽天証券の口座数を抜いていれば、嬉々として発表するはずですが、今のところ発表がないので、単体では楽天証券が国内最大手ということになるのだと思います。

楽天は痛めつけられればられるほど、力を発揮するタイプだと思いますので、SBI証券はじめ他の証券会社もどんどんサービスを改善して、切磋琢磨してほしいです。

楽天証券からSBI証券にNISA口座を移管しているユーザーは、投信保有ポイント等に敏感な感度の高いユーザーだと思います。しかし、新NISAで新たに投資を始めるような人たちは、どの証券会社で新NISA口座を開設するかについては、投信保有ポイントのような細かいことよりも、知名度や身近さで選ぶ可能性が高いのではないでしょうか。その場合、SBIよりも楽天の方が有利なような気もします。

みなさんは楽天証券の顧客流出状況をみて、どのような感想を持ちましたか?

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