はじめに
昨日の記事で、資産運用するか否かで、資産増加ペースがどれぐらい変わるのかについて、私の事例を記事にしました。
その記事ではあたかも、資産運用にはメリットしかなく、やらない手はないといったニュアンスのことを書きましたが、実際には資産運用にはリスクがあります。
今回は資産運用のリスクについて書いてみたいと思います。
含み益が出るということは、含み損も出るということ
私が保有している楽天証券口座では現在、「+26百万円」の含み益が出ています。しかし、私に投資の才能があるから、含み益が計上できているわけでは全くありません。単に投資したタイミングがよかっただけです。たまたま、証券口座を開設したのが、コロナショックで株価が暴落する直前だったので、その後の暴落による絶好の買い場で、たくさん仕込むことができ、現在の含み益になっています。
しかし、もし私が、長い株価低迷の前の、株価天井のときにまとまった金額を投資してしまったら、「▲26百万円」の含み損を抱えてしまっていた可能性も十分にあります。
つまり、私の資産総額は、以下のいずれになっていてもおかしくなかったということです。
A.資産総額180百万円(含み益+26百万円・元本154百万円)
B.資産総額128百万円(含み損▲26百万円・元本154百万円)
いずれのケースでも、投資しない場合の資産額は154百万円ですが、含み益が+26百万円出れば、資産総額は180百万円になり、含み損が▲26百万円出れば、資産総額は128百万円になります。
180百万円と128百万円の差額は、実に52百万円です。
おわりに
私は幸いなことに、上記Aの状況になっていますが、もしBの状況になっていたら、FIRE自体をしていなかった可能性もあります。
投資初期の経験で、投資に対するイメージは良くも悪くもなると思います。私の場合は、幸いにも含み益になっているので、「投資はメリットがある」と思っていますが、もし含み損になっていたら、きっと「投資はリスクがある」と考えたはずです。そして、投資で資産収入(値上がり益や配当)を得ていくことを前提としたFIREそのものが成立しなくなり、FIREという選択をしていなかったかもしれません。
確かに、過去の歴史をみれば、米国株(インデックス)は20年以上保有していれば、マイナスになることはないといわれています。しかし、頭ではそれが分かっていても、投資初心者が多額の含み損を抱えたまま、20年保有し続けることは、現実的に難しいと思います。
実際に私も以前、SPXLというレバレッジETFを持っていましたが、コロナショックでの含み損拡大に耐えられず、株価が元本に回復した時点で売却してしまった経験があります(詳細はこちらの記事をご参照ください)。
投資初心者が長い期間含み損状態になってしまった場合、「含み損益ゼロまで株価が戻したら、全ての持ち株を売却して投資から引退しよう」という思考回路になってしまうと思います。
資産運用を失敗してしまうと、FIRE自体ができなくなってしまうリスクがあると思います。資産運用はFIREの助けにもなりますが、ときにはFIREの妨げにもなるということです。