はじめに
先日ネットを徘徊していたところ、こちらの記事をみつけました。なんでも、東京23区に住む「30代子育て世帯」の世帯年収の中央値は「986万円」で、約半数である48.6%の世帯が「1,000万円超」とのことです。
この「986万円」という数字は「平均値」ではなく、「中央値」ですので、かなり実態を反映した数字ということになります。
日本人の平均年収が「458万円」であることを踏まえれば、世帯(2人)で「986万円」というのは分かるような気もするのですが、個人的には「約半数の世帯年収が1,000万円超」であると聞いて、正直なところ「意外に世帯年収が高いな」と思いました。
都内はパワーカップルだらけ
少し前に「パワーカップル」(笑)という言葉が流行りました。パワーカップルの定義は定まっておらず、「夫婦ともに年収700万円以上」(ニッセイ基礎研究所)としているケースや、「世帯収入が1,000万円以上」としているケース等があります。仮に後者だとすれば、東京23区内ではパワーカップルだらけということになります。
結婚していれば働き手が2人いるということですし、専業主婦が減って共働きが増えている状況を考えれば、結婚している世帯の収入が増加しているのは当然です。かつては子供が生まれれば、母親は子育てのために仕事から離れたのでしょうが、待機児童数の減少や育休制度の浸透、在宅勤務の増加等で、出産後に仕事が続けやすくなったのも、世帯年収の増加要因となっているように思います。
経済的に余裕があるから子供が産めるということであれば、子育て世帯の年収が高いのは当たり前ということになります。
おわりに
自分が子供だった頃(約40年前)を思い返してみると、私自身も2人兄弟ですし、小学校時代の友達も兄弟姉妹が多かったように思います。一人っ子というのは少数派だったのではないでしょうか?当時は恐らく、各家庭の経済的な状況が子供の人数に影響を与えるということがなく、「子供は2人~3人持つのが当たり前」という風潮と言いますか、同調圧力のようなもので子供の人数が決まっていたように思います。
それに対して現在は、明らかに各家庭の経済状況が、子供の人数に影響しているように思います。子供の人数が多い家庭ほど、経済的にも余裕があるのではないでしょうか。そうだとすれば、最近話題になっている、「子供3人以上で大学無償化」というのは、見当はずれの政策ということになるのかもしれません。そもそも経済的に余裕があるから子供が3人いるのだとすれば、お金のある家庭を支援することになってしまい、意味がないからです。
ただし、経済的な状況とは関係なく、子供がたくさんいる家庭もあります。よくテレビで「大家族」のドタバタに密着した番組がありますが、このような番組で取り上げられる家族は、たいてい経済的に余裕がなく、ときには子供のアルバイト代を親があてにしているような家族(例:T下家)さえいます。番組的に面白おかしくするために、演出がなされている可能性もありますが、ある意味無計画と思えるほど子だくさんな家庭があるのも事実です。
子供を産む理由が何であれ、子供をたくさん産んでくれれば、私の将来の年金等でもメリットがありますので、たとえ子育て世帯の約半数が、世帯年収1,000万円超だとしても、子供が多い世帯をいろいろな面で国が支援すること自体には大賛成です。