楽天証券はクレカ積立「月額10万円」に対応しないのか?

資産運用・米国株投資

はじめに

証券会社各社のクレジットカード積立は、長らく「月額5万円」が上限になっていました。「金融商品取引法」(44条の2)により、そもそも金融商品のクレカ投資はできないのが原則ですが、例外的に「金融商品取引業等に関する内閣府令」で許されています

内閣府令148条では「10万円を超えることとならない」範囲とされていますが、クレジットカードの支払いサイクル(カード引き落としには時間差があり、翌月の積立と重なる可能性がある)を考慮して、証券会社各社は「月5万円」を上限としてきたわけです。

「月額10万円」に向けた上限拡大の動き

しかし、貯蓄から投資への流れの加速や、来年からの新NISA開始等を踏まえて、上限金額を「月額10万円」に拡大するための規制緩和を、金融庁が検討しています。

クレジットカード積立は多くの場合ポイントが付くため、特に、節約やポイ活に熱心な若い世代にとっては、新NISAの開始とも相まって、投資を始める動機となることが期待できます。

このような中、最初に「月額10万円」への対応を発表したのが「tsumiki証券」です。8月に、「2024年からエポスカードで、月額10万円の積立投資が可能になる」旨の発表がありました。その際には本ブログでも記事にしていますので、詳細はそちらをご参照ください。

その後10月には、「大和コネクト証券」も、セゾンカード・UCカードで「月額10万円」に対応するとの発表を行っています。

これらの証券会社は現行法制度の枠内で「月額10万円」を実現しています。恐らく、「投資信託の買付日」と「引落日」を調整することで可能にしている(あるいは調整しなくとも実現可能であった)ものと考えられます。

SBI証券、マネックス証券も将来的な対応を発表

ネット証券大手3社であるSBI証券、楽天証券、マネックス証券からは、「月額10万円」への対応の発表はありませんでしたが、ここにきてついに、SBI証券及びマネックス証券から、将来的に対応予定であるとの発表がありました。両社とも12月15日付の発表になります。

ただし、今回の両社の発表は、あくまでも「2024年に予定されている金融商品取引法に関する内閣府令が改定され次第」としており、いつから「月額10万円」になるのかは、現時点では未定です。また、月額5万円を超える積立分について、ポイントが付与されるのか否かは、現時点でははっきりしていません

残るは楽天証券だけとなりました。

楽天証券は「月額10万円」に対応しないのか?

本ブログ記事を書いている時点では、楽天証券から「月額10万円」のクレジットカード積立に対応するとの発表はありません我らが楽天証券は対応しないのでしょうか?

この点に関して私は、楽天証券は現状のまま変わらないのではないかと考えています。つまり、現状の「楽天カード積立:月額5万円まで」「楽天キャッシュ積立:月額5万円まで」の2つが続くと考えています。この2つで既に「月額10万円」を実現しているからです。

今後、「金融商品取引業等に関する内閣府令」がどのように改定されるか次第ではありますが、「楽天カード積立:月額10万円まで」「楽天キャッシュ積立:月額5万円まで」の2つ(月額合計15万円)になることは考えにくいと思います。ただし、楽天キャッシュ(現金でも購入可能)による積立が、「信用供与」に該当しないのであれば、可能性はあるかもしれません。

おわりに

ネットをみていると、「将来的に楽天キャッシュ積立5万円が廃止され、楽天カード積立10万円に一本化されるのではないか」との推測もあるようです。この推測の根拠は、最近になって楽天ギフトカードの販売店が大幅に縮小されていることにあります。

これまで、楽天ギフトカードはコンビニの他にドラッグストア等でも広く販売されていましたが、11月30日からはコンビニのみでの販売になりました。楽天ギフトカードの販売店が大幅に縮小されたのは、楽天が将来的に楽天キャッシュを廃止する予定だからではないかとの考えです。

真実は楽天しか知りませんが、私は楽天キャッシュが廃止される可能性は低いと考えています。楽天はこれまで楽天キャッシュをかなり推してきていることに加え、新NISAでも「楽天キャッシュ積立」をアピールしているからです。

楽天ギフトカードの購入ルートを工夫することで、アイフォンユーザーは「2%~2.5%還元」、アンドロイドユーザーは「1.5%還元」で「楽天キャッシュ積立」が行えますので、楽天キャッシュの廃止だけは避けてほしいと思っています。

「楽天カード積立:月額10万円まで」「楽天キャッシュ積立:月額5万円まで」になるのがベストですが、「楽天カード積立:月額5万円まで」「楽天キャッシュ積立:月額5万円まで」のままでも、個人的には構わないと思っています。

※2024年1月9日追記

1月9日付で楽天ギフトカード公式ページの「正規販売店舗」から「ローソン」「ナチュラルローソン」「ローソンストア100」が削除され、「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ミニストップ」だけになってしまいました。

やはり楽天ギフトカードは廃止される方向なのでしょうか・・・。

タイトルとURLをコピーしました