FIREして10か月が経過して分かったこと

FIRE・早期退職

はじめに

私は昨年の5月末付で25年間勤務した会社を退職しました。退職前に40日間の有休休暇を消化しましたので、最終出社日は「3月31日」でした。

それから約10か月が経過しましたので、今回は現在の心境について書いてみたいと思います。

FIREした人が後悔している理由

ネットをみているとよく、「FIREして後悔しています」とか「FIREから卒業しました」といった記事や動画をみかけます。そこで挙げられている「FIREして後悔している理由」としては、以下のような内容が多いと思います。

【FIREした人が後悔している理由】

経済的な不安が大きくなる

暇で時間を持て余す

再度仕事がやりたくなる

人恋しくなる

①~④の理由には以下のような相関関係があるように思います。

経済的な不安が大きくなる」から「再度仕事がやりたくなる」

暇で時間を持て余す」ので余計なことを考えて「経済的な不安が大きくなる」

暇で時間を持て余す」ので「再度仕事がやりたくなる」

人恋しくなる」から「再度仕事がやりたくなる」

私の現在の心境

一般的なFIREの後悔理由である上記①~④について、私について当てはまるのか考えてみました。

「①経済的な不安が大きくなる」について

これについては全く当てはまりませんあなたはお金を使い切れますか?」「お金を使い切れるか心配ですといった過去記事に書きました通り、FIRE後は「お金が減ることの心配」よりも「お金を減らすことの心配」の方が大きい状況です。

FIREしてまだ1年経っていませんが、相応の資産を適切に運用していれば、生活費(節約したカツカツの生活費ではなく、普通の生活費)を支払ってもなお、資産は減らないどころか、かなりのペースで増えていくことが分かりました。「経済的な不安」は私がFIRE前に最も懸念していたことだったのですが、杞憂でした

もっともこれは、2023年の株式相場がよかったことが大きいです。昨年は稀にみるよい相場だったおかげで、1年間で保有資産がかなり増加したこともあって、このような心境になっているのだと思います。もし相場が暴落していれば、「お金が減ることの心配」が募っていた可能性はあります。なお、FIREしても資産が減らないというのは本当か?(過去記事)もご参照ください。

「②暇で時間を持て余す」について

これについても全く当てはまりません。FIRE後に何か特別なことをやっているわけではないですが、なんだかんだ忙しく、あっという間に毎日が過ぎていきます。私は、「暇な時間」こそ貴重だと思っています。多くの人は、ボーっとしている時間」は無駄だと思うかもしれませんが、私はそのような時間こそが最も贅沢な時間だと思っており、もっと時間を持て余す状況になりたいと思っています。

よく「FIRE前にやりたいことを決めておかないと、FIRE後に暇すぎて後悔する」という主張を目にしますが、私はそうは思いません「やりたいこと」など日々変化すると思いますし、FIRE後に考えればよいと思っています。私は、「自分で時間をコントロールしながら生きていきたい」という抽象的な希望だけを持ってFIREしましたが、それでよかったと思います。

「③再度仕事がやりたくなる」について

これについても全く当てはまりません退職後にはハローワーク等で求職活動をしていますが、これは退職後ブランクがあけばあくほど再就職が難しくなり、退職後1年以内くらいが再就職できるラストチャンスだと考えているからです。「ひょっとしたら自分の知らない、自分にピッタリな職があるかもしれない」と思い、探しています。

言葉遊びのようですが、私が探しているのは「仕事」(受動的に命令されて働くこと)ではなく、「職」(能動的に自分の意思で働くこと)です。もし今後働くことがあるとしても、それは「仕事として働く」のではなく、「よりよい人生のために働く」ということになると思います。

また一般的に、「仕事がやりたくなったのでFIREを後悔している」という人は、自分が世の中から求められていることや、自分が社会に貢献することを重視している人だと思います。承認欲求が強い人や、世間体を気にする人ともいえるかもしれません。

この点で私は、周りからどのようにみられるかは気にならない人間です。世間体よりも、どうすれば自分が心地よいかを優先しています。たしかに会社員時代には、仕事で達成感を感じることもありましたが、会社員時代にも「会社から求められていること」よりも「自分がやりたいこと」を常に優先していたように思います。

「④人恋しくなる」について

これについても全く当てはまりません他人とのコミュニケーションがなくなることで、FIREしたことを後悔している人もいるようですが、そのような人にとっては、会社員時代には、恋しくなるようなコミュニケーションが存在したということなのでしょうか?

私の場合は、会社員時代の他人との関わりは「利害関係のある仕事上の関係」に過ぎず、「恋しくなる」ような類のものではありません。たしかに会社員時代に仕事上で知り合った人の中には、素晴らしい方々がたくさんいましたし、よい関係を築かせてもらったとも思っていますが、それらの関係の背後には、良くも悪くも「利害関係」が常にあったように思います。私はそもそも、会社員時代にも本当の意味でのコミュニケーションはなかったと考えていますので、FIREしたからといってことさら人恋しくなることはないということです。

「上辺だけでない本当の意味での他人とのコミュニケーション」が何なのかは私にもよくわかりませんが、もしあるとすれば、人生において追い求める価値はあるのかもしれませんFIRE後に模索していきたいと考えています。

おわりに

以上の通り、私はFIREして10か月が経過した現在、一般的なFIREの後悔理由全てについて、当てはまっていません。実際私は、FIREしたことを全く後悔していません

ただし、FIREしてみて想定外のこともありました。それは、「もっと少ない保有資産でもFIREできた」ということです。資産を増やす時間はほどほどにして、もっと早くFIREすべきだったと思っています。

もっとも、この点に関しては、株式市場の相場次第であるという面もあります。上述した通り、昨年は相場が好調だったので資産が増え、「今度どうやってお金を使っていくか」で悩んでいますが、いつかは必ず暴落が来ます。そのときには経済的な不安で、FIREしたことを後悔することになる可能性は否定できません。

本記事で私が書いたFIRE後の心境は、あくまでも「現在の心境」であり、今後変わっていく可能性があります。引き続きブログ記事にすることで、心情の変化を記録していきたいと思います。

なお、FIREに関しましては、ぜひ以下の記事もご覧いただけますと幸いです

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