はじめに
みなさんは、かつてNHKが放送していた「はたらくおじさん」という、子供向けの教育番組をご存知でしょうか?私は小学生の頃、社会科の授業で、この番組を見ていました。
先日、YouTubeで動画を見ていたところ、なぜかおススメとして、「はたらくおじさん」のオープニング映像が出てきました。あまりにも懐かしかったので、つい見てしまいました(画像はNHK公式より)。
「はたらくおじさん」について
NHKの公式ページでも、オープニング映像を見ることができます。ぜひ、こちらから見てみてください。
調べてみたところ、「はたらくおじさん」は、「1961年4月~1982年3月」に「NHK教育」で放送されていた番組で、小学2年生向けの社会科番組とのことです。私は1972年生まれですので、小学2年生だったのは1979年頃です。「約45年前」ということになります。
オープニングの気球のアニメーション(上の画像)もよく覚えています。少年(タンちゃん)と犬(ペロくん)が、気球に乗っているのですが、ペロくんが落ちそうになり、タンちゃんが足を掴んで助けるシーンは、子供心に「怖!」と思っていたのをよく覚えています。
音楽も「そういえばこんな音楽だったな」と思い出しました。歌詞については特に、最後の「はたらくおじさん♪はたらくおじさん♪こんにーちーはー♪」というところをよく覚えています。ただ、NHKの公式ページの動画を見ると、「はたらくおじさん♪はたらくおばさん♪こんにーちーはー♪」となっています。確か私の頃は、この赤文字の部分も「おじさん」だったような気がするのですが、どうやら、女性の社会進出に伴って、ある時期から「おじさん」が「おばさん」に替えられたようです。
番組自体は、タンちゃんとペロくんが、いろいろな「はたらくおじさん」を訪問して、話を聞くというものだったと思います。「世の中にはこんな仕事があるんだよ。陰でいろいろな人が頑張っているおかげで、世の中は成り立っているんだよ」ということを、子供に教える番組なのだと思います。
小学2年生の私が現在の私を見たらどう思うか?
私が小学校低学年の頃になりたかった職業は、「警察官」です。たぶん「はたらくおじさん」でも警察官の回があると思われ、私も「かっこいーなー」と思いながら見ていたのではないでしょうか?
もし小学2年生だった私に、「50歳になった君は、会社を退職して、資産収入で生活しているんだよ」と教えてあげたら、どんな反応をするでしょうか?恐らく、「えーそんなのやだよー。資産収入で生活するなんてズルだよー。働かなきゃだめだよー」と言われてしまうような気がします。
良くも悪くも、「はたらくおじさん」はある種の洗脳番組だったとも言えるのではないでしょうか?子供は純粋ですし、教えられたことをどんどん吸収します。この番組を見て、「一生懸命はたらくことは尊いことである」との認識を持つと思います。
おわりに
私がこの番組を見ていた「1970年代」は、今と違って、日本にも勢いのある時代だったのではないでしょうか?「はたらかずにFIREする」などという選択肢は微塵もなく、毎日頑張ってはたらけばはたらくほど、世の中が良くなり、生活も豊かになっていくとの実感があったのではないでしょうか?
一方で現在は、「はたらいてもはたらいても、世の中が良くなっていく実感はなく、生活も豊かにならない」という状況だと思います。こんな状況では、「一刻も早くFIREしたい」と思う人が増えるのも納得できます。
私自身は、FIREしたことを全く後悔していませんし、自分は幸せだと思っています。ただ、「FIREしたことで、小学2年生だった私を裏切っているのではないか」という罪悪感のようなものを感じてしまうことも事実なのです。