はじめに
先日ネットを徘徊していたところ、「全国のシニア世代2000人に聞いた 最も多かった”後悔”とは」という記事をみつけました。
同記事を読んで、いろいろ思うところがありましたので、今回はそのことについて書いてみたいと思います。
シニア世代が後悔していること
同記事では、「生命保険文化センター」が「全国60歳以上の男女約2,000人」を対象として行ったアンケート調査の結果が紹介されています。
それによると、シニア世代が「人生全般に関して後悔していること」は、以下の通りです(画像は毎日新聞ウェブサイトより)。
【シニア世代が後悔していること】
アンケート結果をみて思うこと
シニア世代が後悔していることは、いずれも「FIREすればできること」です。
FIREすれば、
「学ぶこと」も
「貯蓄すること」も
「運動すること」も
「家族との時間を大切にすること」も
「生活習慣を見直すこと」も
「食生活を気遣うこと」も
「友人との時間を大切にすること」も
「ひとりの時間を大切にすること」も
「地域などのコミュニティーに参加すること」も
「投資を行うこと」も
可能です。
できないのは「仕事に取り組むこと」くらいです。
つまり、シニア世代は「FIREすればよかった」と後悔しているということです。
私のブログをお読みいただいている方は、FIREを目指しているか、既にFIREしている人が大半だと思いますので、みなさんの判断は極めて正しいということになります。
ただし、「いつFIREするか?」が重要になってきます。上記のアンケート結果は「60歳以上の人」が後悔していることですので、60歳でFIREしても手遅れということになります。
私は「50歳」でFIREしましたが、「10年くらい早くFIREすればよかった」と後悔しています。私はFIREする前に、経済的な基盤を固めるための時間を使いすぎてしまったために、FIREをしたのが50歳になってしまいましたが、保有資産がもっと少ない状態であっても、40歳くらいでFIREしていれば、もっと人生が充実させられていたように思います。
おわりに ~アンケートの名を借りた、意図的で都合の良い主張~
上記のアンケートでは、「もっと保険等に加入すればよかった」とシニア世代が後悔しているとの結果が出ていますが、これに違和感や胡散臭さを感じる人は少なくないのではないでしょうか?
特に、FIREを目指している人や、FIREしている人の多くは、「保険に加入することは無駄である」との認識が強いと思いますので、約20%もの人が「もっと保険に加入すればよかった」と後悔していることが、俄かには信じられないのではないでしょうか?
このアンケートは、「生命保険文化センター」という、「生命保険制度の健全な発展」のために設立された団体が行っているために、このような歪んだ結果が出てきているわけです。
「生命保険文化センターの役員構成」について調べてみると、評議員や役員には、大手生命保険会社の社長や幹部が就任しています。間違っても、アンケート結果が、生命保険に批判的な内容になることはありません。アンケート回答者がどのように回答しても、生命保険に批判的な結果が出ないようなアンケート構成になっているはずです。
何が言いたいかと申しますと、アンケート結果というものは、どこが主体となって調査したアンケートなのかによって、結果が180度変わることもざらだということです。
例えば、「FIREした人2,000人」に「後悔していること」を聞いたら、「保険に加入すべきでなかった」という回答が上位に来ると思います。
アンケートというものは、主催者がアンケートの名を借りて、意図的に都合の良い主張をするための手段として使われることがままあります。アンケートという形態をとることで、さも「これが国民全体の総意です」という主張をするのは、極めて悪質だと思います。