はじめに
先日ネットを徘徊していた際、「FIREする人には共感できない。FIREなどすぐに飽きる」という主旨の記事を読みました。
私は昨年5月末に25年間勤務した会社を退職して以降、1年以上無職の状態です。FIREして1年以上が経過した現在の感想は、「FIREして本当に良かった。FIRE生活は全く飽きないし、最高である」というものです。
なぜ人によって、FIREに対する意見が食い違うのでしょうか？
FIRE生活を成功させる秘訣
恐らく、上記のネット記事を書いた方も、本心で「FIREなどすぐに飽きる」と書いているのだと思います。私が「FIRE生活は飽きない」と思うのも本心です。
上記ネット記事を書いた人は、「FIREして旅行がしたい人がいたとして、ずっと旅行していたら飽きてしまって、最後は退屈になるのではないか」との主張です。旅行に限らず、何かやりたいことがあってFIREしたとして、FIRE後にやりたいことをやってしまったら、すぐに飽きてしまうとの主張です。
その主張を読んで私は、「私がFIRE生活に全く飽きることなく、心から楽しめているのは、やりたいことをやっていないからではないか？」と、ふと思いました。
私にももちろん、「FIREしたらやりたいこと」がありますが、FIRE後にやりたいことをやっているかといえば、必ずしもやっていません。FIRE後は時間があるので、やりたいことは何でもできますが、やっていないのです。
「いつでもやれるけどやらない状態」で生活することで、「いつでもやりたいことがやれる」という楽しい状態が継続するのではないでしょうか。「旅行は準備しているときが一番楽しい」というのに似ています。いざやりたいことをやってしまうと、「こんなものか」と、飽きてしまうかもしれません。
要するに私は、「FIRE生活に飽きずに、ずっと幸せな状態で過ごす秘訣は、FIRE後にやりたいことをあえてやらないことである」と考えています。
おわりに
ネット上には、「FIREしたが、飽きてしまった」という人が一定数いますが、そういう人はたぶん、FIREしたとたんにやりたいことをやりまくった人だと思います。一方で私は、FIREする以前から「おいしいおかずは最後にとっておくタイプの人間」です。
どちらかというと私は、「何かやりたいことがあってFIREした」というよりも、「自分の意に沿わない状況を変えるためにFIREした」といった方が正しいかもしれません。より具体的に言いますと、私は「会社や他人の意向に左右されるような人生はやめにして、自分自身の意思で時間その他のあらゆることをコントロールしながら生きていきたい」と考え、そのための手段としてFIREしました。
そんなこともあって、FIREしたからといって、すぐに趣味をやりまくったり、旅行に行きまくったりはしていませんが、そのことが結果として、私がFIRE生活を楽しめている理由なのかもしれません。
FIREして時間とお金があるからといって、何か特別なことをしなければいけないということでは全くないと思います。私は「何事もない平穏な毎日」にこそ、幸せを感じています。
「いつでもやりたいことがやれる」という楽しい状態を維持しながら、のんびりと少しずつやりたいことをやって、FIRE生活を今後10年、20年と楽しんでいきたいと思います。
