はじめに
一般的に「タイミング投資」(自分の判断で、株価が安いと思った時に買い、高いと思った時に売ること)はやってはいけないことであり、機械的に淡々と「積立投資」するのが正解であると言われています。これは、「安く買って高く売る」ベストなタイミングを図ることは不可能だからです。
私自身は「積立投資」の有効性は理解しているつもりですし、実際に「毎月40万円」の「積立投資」を行っています。ただし一方で、「タイミング投資」を「やってはいけないこと」だとは思っていません。今回はこのことについて書いてみたいと思います。
なお、本記事の内容は、ETFや投資信託への投資について書いています。個別株投資については、投資対象企業の決算内容等を踏まえた「タイミング投資」を行うことが、むしろ必要になってくると思います。
私が過去にタイミング投資を行ったケース
私が「タイミング投資」を行ったケースは、過去に2回あります。
【私が過去にタイミング投資を行ったケース】
①2020年3月:コロナショック時のスポット投資(米国ETF・投資信託)
②2022年5月~2023年3月:金利上昇に伴うNASDAQ下落時のスポット投資(レバナス)
結論的には、上記①②ともに、大きな利益を得ることができました。
まず①についてですが、当時スポット購入した「VTI」「VT」「VYM」「HDV」「SPYD」「DVY」といった米国ETFや、投資信託(S&P500、オルカン)の含み益が、私の楽天証券口座の含み益のかなりの割合を占めています(各銘柄の含み益はこちらをご参照ください)。
②については、米国での利上げの影響で、楽天レバナスの基準価額が「@5千円程度」(当初基準価額「@1万円」の半値)に下げてから購入を始め、15回に分けてスポット購入(合計約565万円)を行いました。その結果、特定口座での平均取得価額は「@4,354円」となっています。現在の楽天レバナスの基準価額は「@8,600円程度」と、平均取得価額の「約2倍」となり、「+約553万円」の含み益となっています。なお、「QQQ」についても同時期にスポット購入しています。
おわりに
私の楽天証券口座での含み益は現在、「+38百万円程度」となっていますが、この含み益の大半は、上記①②の「タイミング投資」によるものだと考えられます。
私が投資を始めた「2020年2月」から現在に至るまで、もし「積立投資」しか行っていなかったら、含み益はかなり少なかったのではないでしょうか。その意味では、私の場合は「タイミング投資」を行ったことは大正解でした。この成功体験がありますので、私は淡々と「積立投資」のみを行うことについて、物足りなさを感じてしまっています。
「タイミング投資」を行うためには、ある程度現金比率を高め、投資資金(種銭)を確保しておく必要があると思います。株価が暴落したとしても、底がいつなのかは誰にも分からないので、何度かに分けてスポット投資を行う必要があるからです。
そんなわけで私は、「毎月40万円」の「積立投資」を継続しつつ、現金比率を高めにすることで、将来必ず来る暴落時に「タイミング投資」を行うことを心待ちにしているのです。「現金比率をもっと下げて、タイミングなど図らずに、現時点で投資してしまった方が、最終的には利益額が大きくなる」との考え方も理解できますが、「成功体験」が邪魔をして、そのようには行動できないでいるのです。
私は「タイミング投資」を「やってはいけないこと」だとは思っていません。「タイミング投資は悪」と考えすぎると、本来得られるべき利益を逃してしまう可能性があると思います。