某証券会社から運用商品の提案がありました

資産運用・米国株投資

はじめに

私の母親(79歳)が保有している資産の内容や金額について、詳しくは知りませんが、主に日本株(個別株)で運用しています。両親ともに、株式投資歴は数十年になります。

母親のメインの証券会社は「みずほ証券」なのですが、別に、某証券会社(大手ではない)でも口座を持っています。その口座は、数十年前に母親がある運用商品を購入しようとした際、その証券会社でしか取り扱っていなかったことがきっかけで、開設したとのことです。

当初購入した運用商品はそれなりに儲かったとのことですが、満期を迎えています。その後も母親は、「取引をやめてしまうのは相手に悪い」との考えで、100万円程度は取引を続けていたようですが、現在運用している商品も満期を迎えたとのことで、証券会社の担当者から、運用商品の提案があったそうです。

なお、本ブログ記事の内容は、私の個人的な見解です。特定の金融機関や、特定の商品、特定の個人を批判する意図はありませんので、その点はご了承ください。

母親が提案された運用商品

母親が提案された運用商品は、以下の毎月分配型のアクティブファンドでした。

インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)【愛称:世界のベスト】

純資産総額:1兆1,844億円(シリーズ合計)
購入時手数料:3.30%
信託報酬:年率1.903%
過去10年のチャートインベスコ公式ページより)

この投資信託は、2023年の資金流入額がトップだったファンドで、日経新聞の記事によれば、以下の通りです。

「世界のベスト」は、世界の株式のうち「成長」「配当」「割安」の3つの観点に着目して厳選投資するファンドだ。過度な米国偏重を避けながら安定したパフォーマンスを出していることや、高い分配金を支払っていることなどを理由に個人投資家の支持を得ている。

2023年の資金流入額、「世界のベスト」がトップ – 日本経済新聞 (nikkei.com)

私の考え ~私が選んだ投資信託~

この銘柄を見て私がまず思ったのは、「コスト(購入時手数料・信託報酬)が高すぎる」ということでした。普段見慣れている「eMAXISシリーズ」とは桁違いです。この投資信託は、100万円分保有しているだけで、毎年2万円近くのコストがかかるということになります。

この事実だけで、個人的には投資対象の選択肢にはならないと思います。毎月分配であり、一見お得感がありますが、基準価額自体は上記のグラフの通り、右肩下がりです。

母親によれば、「特に毎月分配には魅力を感じない」とのことでしたので、この証券会社が扱っている投資信託の中で、コストの安いものを探すことにしました。その結果、私が選んだのは以下のインデックスファンドです。

野村インデックスファンド・米国株式配当貴族【愛称:Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族】

純資産総額:622億円
購入時手数料:2.0%(新NISA口座の場合は無し)
信託報酬:年率0.55%
設定来のチャート野村アセットマネジメント公式ページより)

本音をいえば、この証券会社との付き合いはやめにして、証券口座を閉じてしまえばよいと思うのですが、母親にも過去の付き合いやしがらみ(IPO株を回してもらった等)があるようなので、仕方がないと思っています。このファンドは、少ない選択肢の中で「強いて選べば」という観点で選びました。

このインデックスファンドは、「S&P500配当貴族指数(配当込み・円換算ベース)」の動きに連動する投資成果を目指して運用を行うファンドで、新NISAの「つみたて投資枠」の対象商品にもなっています。

「S&P500配当貴族指数」と「S&P500指数」の比較は以下の通りとなっています。「S&P500配当貴族指数」は、構成銘柄に占める情報技術セクターの割合が低い一方、生活必需品セクターの割合が高く、「S&P500指数」よりも「下落相場に強い」といわれています(出典:アセットマネジメントOne公式ページ)。

今回の証券会社の場合、このファンドは、新NISA口座で買えば購入時手数料はかからないのですが、母親は新NISA口座はみずほ証券で持っているため、残念ながら「2.0%」の購入時手数料がかかってしまいます(その他、楽天証券等であれば購入時手数料ゼロ)。しかし、信託報酬は「世界のベスト」(1.903%)よりはだいぶ安いです。

ちなみに、「S&P500配当貴族指数」に連動するファンドとしては、他にTracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)(日興アセットマネジメント)があり、こちらは信託報酬が「0.1155%」ともっと安いのですが、この証券会社では取り扱っていません

手数料が高くても、それ以上にファンドのパフォーマンスがよければ問題ないともいえますが、個人的には、アクティブファンドが高いパフォーマンスを維持し続けるのは難しいと考えています。そうであれば、コストの安いインデックスファンドに投資する方が、中長期的には無難だと思い、母親には野村のインデックスファンドをすすめました最終的な判断は母親に任せたいと思っています。

おわりに

「世界のベスト」が昨年の資金流入額でトップになるくらい人気があるのは、恐らく母親のような高齢者に対して、対面証券会社が積極的に売り込んでいるからだと思います。

このファンドで利益を得ている人もたくさんいると思いますので、一概にそれが悪いことではないのかもしれませんが、私には、証券会社がこのファンドを売り込んでいる理由は、顧客を儲けさせようとしているからというよりも、自分たちの得られる手数料が高いからであるように思えてなりません。

顧客が儲かろうが損しようが、毎年必ず2%が信託報酬として得られるのですから、売り手にとってはよい商品だと思います。

みずほ銀行からの運用商品提案(過去記事)にも書きましたが、証券会社の担当者も異動が頻繁だと思いますので、「異動してしまえば、担当していた顧客がどうなってもよい」という無責任な状況になりがちだと思います。

このような状況では、顧客にとってベストな商品を提案してもらうことは、対面証券会社には期待できないのではないでしょうか。

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