はじめに
私はたまに、YouTubeで投資関係の動画を見ます。投資系YouTuberの動画には、株式市場の動向を解説するものや、個別銘柄を解説するもの、個人の資産状況やポートフォリオを公開するもの等、いろいろなものがあります。
このうち、個人の資産状況を公開する動画を見ていて、私は長年違和感を感じていました。この度、この違和感の正体が分かりましたので、今回はそのことについて記事にしてみたいと思います。
なお、本記事の内容はあくまでも私個人の感想です。特定の個人を批判する意図は全くありませんので、その点はご了承ください。
私が感じる違和感の正体
個人の資産公開をしているYouTube動画を見ていると、YouTuberの100%全員が、株価が上昇していることを喜んでいます。「今週は放置していただけで○万円も増えました!」といって、そのことがさも喜ばしいことであるかのような発言をしています。
しかし、私はこのような発言に、長年違和感を感じていました。「株価が上昇すること」は本当に喜ばしいことなのでしょうか?私は決して喜ばしいことではないと思っています。
「株価が上昇すること」は、当たり前の話ですが、「株が値上がりしていること」を意味しています。昨今は日本でも、あらゆるものの値段が上昇しており、「食品の値段がこんなに上がって、家計が苦しくなった」といったニュースが連日報じられています。
食品の値段が上がることには文句を言うくせに、株の値段が上がれば喜ぶというのは、なんかおかしな感じがします。これから株を買おうとしている人にとっては、株が安くなる方がうれしいはずなのに、株価が上がって喜んでいるのです。
もちろん、自己資金を全て投資に回していて、今後は新たな投資は行わないということであれば、株価が上昇してうれしいのは分かります。しかし、これからも投資をするのであれば、できるだけ株価は安い方がよいはずです。新NISAが開始したことで、今後5年間は投資を続けるという人が多いと思いますが、そのような人にとっては、株価が暴落して安く買える方が、うれしいはずです。
私も今後5年間は、新NISA口座で投資しますので、株価については現時点でリーマンショック級の暴落が来ても全く構わないと思っていますし、むしろ暴落が来てほしいと思っています。暴落が来れば、新NISA口座で安く買えますし、私は現金比率も高めにしているので、そのお金で追加投資すれば、将来の爆益につながる可能性があります。
私は、投資を続けている最中に株価が上昇して、いくら含み益が増えても、その時点で保有銘柄の売却予定がない以上、何の意味もないと思っています。途中でいくら含み益が増えても、将来いざお金が必要になって保有銘柄を売却する際に、株価が下落していたら、全く意味がないのです。
株価が上昇してうれしいのは、保有銘柄を売却する時点であり、それは私の場合、少なくとも10年以上先であると考えています。それまではできるだけ株価は安い方がよいのです。
おわりに
最悪なのは、株式を売却する必要がない期間には株価が上昇して含み益があったのに、いざ売却をしようとした段階で株価が暴落してしまうことです。含み益が何億円あっても、売却時点で暴落していたら全く意味がありません。含み益はあくまでも「幻」であり、実際に売却する時点の株価が全てです。
とはいえ、私も株価が上昇して含み益が増えれば、うれしい気持ちになってしまうことがあるのも事実です。私は毎週末に、保有資産を公開する記事を書いています。同記事では事実を淡々と書いているつもりなのですが、含み益が増えた場合には、うれしいとのニュアンスのことを書いているケースもあります。私は投資家としてはまだまだであるということだと思います。
こんなことを考える私は変でしょうか?