はじめに
「DIE WITH ZERO」という書籍が、たまにネットで話題になっています。
私はこの本を読んでいませんが、タイトルから想像するに、「大金を持ったまま死んでしまってはもったいない。必要以上にお金を貯めすぎるのは問題である。死ぬときにお金を使い果たすくらいがちょうどよい」といった内容が書かれているのではないでしょうか。違っていたらすみません。
私はまさにこのことで真剣に悩んでいます。
私の状況
私は50歳独身で、会社をすでに退職しています。子供がいないため、資産を遺す必要がありません。
現状では、生活費を賄えるだけの「配当・分配金収入」があり、日常のキャッシュフロー面では黒字になっています。将来には年金ももらえる予定です。
その他、保有している米国ETF等の株価値上がりによる含み益増加分を含めれば、(相場の状況により一時的に資産が減ることはあるにせよ)今後も中長期的には、それなりの金額の資産が積みあがっていくことが想定されます。
このような状況下、残りの長くない人生で、保有資産をいかに減らしていくかが、私にとっての大きな課題になっています。
現在私が保有している資産(米国ETF等の含み益を含む)は、6月3日現在で、「約1億7千804万円」です。この金額は人によっては大した額ではないと思われるかもしれませんし、私自身も誇れるほどの金額だとは思っていません。
しかし、私のような根っからの貧乏性にとってこの金額は、今後の人生を送るのに不足しているとは思いませんし、だからこそFIREもしました。
お金は貯めるよりも使う方が難しい?
決してブログ読者の方々を煽っているわけではありません。真剣に悩んでいるのです。
極論すれば、お金は貯めるよりも、使う方がはるかに難しいのではないでしょうか。
思考停止して、インデックス投資でもしておけばお金は増えると思いますが、使うことに関しては、思考停止というわけにはいかず、頭を使って考える必要があります。
浪費家がお金の貯め方が分からない一方で、貧乏性な人は、価値のあるお金の使い方が分からないのです。なんともおかしな話です。
多くの人が、お金を貯めることはできても、有効に使うことができずに死んでいっているように思えます。
お金は使ってはじめて意味を持つのではないでしょうか。
お金を使えずに死ぬということは、そのお金を貯めるために費やした膨大な時間(私の場合、会社に就職していた25年間)が無駄になってしまうことを意味します。
もちろん、単に無駄遣いすればよいのであれば、いくらでもお金は使えます。しかし、無駄遣いせずに、自分にとって価値があると思えるものだけにお金を使いつつ、死ぬ時点で資産を限りなくゼロに近づけるというのは、至難の技だと思います。
おわりに
資産を遺す家族がいるのであれば、何の問題もありません。資産を使い切る必要がなく、むしろ資産を増やしたうえで遺すことで、家族の役に立つことができます。そのような人生はとても素晴らしいのではないでしょうか。
しかし私のように独身者で、資産を遺す必要がない場合は問題です。資産を受け継ぐ人(受け継がせたい人)がおらず、財産が国の物になってしまっては、何のために生きてきたのかわからなくなってしまいます。
寿命がいつまでかわからないことが、この問題をより一層難しくしています。
一つ考えられるのは、親のためにお金を使うということです。両親は健在で、現状では経済的な支援は不要な状況です。しかし、介護が必要になる可能性があり、その場合は介護費用に使うのもよいと思います。
最近、相場の状況がよいことで、このような悩みが強くなってきている面もあるかもしれません。暴落が来れば、私も必死になって資産を減らすまいと躍起になると思います。
ネットにはお金の増やし方に関する情報はたくさん出ています。一方で、お金の有効な使い方に関する情報はあまり出ていないように思いますが、FIREする方にとってはこの問題は避けて通れない重要課題なのではないでしょうか。
どのようにお金を使っていくのかについて、私なりの結論はまだ出ていません。ただ、今後は「増やすこと」よりも「使うこと」を意識していきたいです。残された時間は決して多くないと思いますので、できるだけ早く、「自分にとって価値のある資産の減らし方」の方向性を決めたいと考えています。