はじめに
先日、「FIRE後の現金比率をどうすべきか? ~私の考え~」という記事を書きました。その記事を書きながら、「FIRE前後で私の投資スタンスは変わったのだろうか?」「FIRE前後で投資スタンスは変えるべきなのだろうか?」ということを疑問に思いました。
そこで今回は、私のこれまでの「投資歴」や「投資スタンス」、「投資銘柄」等を振り返りながら、上記の問いについて考えてみたいと思います。
私の「投資歴」について
私は「2023年5月末付でFIRE」し、25年間勤務した金融機関を51歳で退職しました。金融機関時代25年間のうち、20年以上は、企業への出資業務(出資対象企業の財務分析、業界調査、レポート作成等)を担当していました。金融機関に勤務していますと、個人で自由に資産運用することが難しい面があります。といいますのは、「インサイダー取引」の観点で、個人で株式投資をする場合には、投資銘柄等について、事前に会社への承認申請が必要になるためです。
申請が許可されるまでには数日かかるため、タイムリーな投資はできません。そんなこともあって、私は会社員時代には「投資に興味はあるが、面倒くさい」と考えていたため、2020年(47歳)になるまで投資はしていませんでした。
2020年に重い腰を上げて投資を始めたのは、みずほ銀行普通預金口座だけで、口座残高が1億円を超え、「このままお金を遊ばせておくのはもったいない」と考えたからです。まずは、みずほ証券口座で「個人向け国債変動10年」を「3千万円分」購入し、その後は楽天証券口座で米国ETF等の購入を始めて現在に至ります。
「2020年2月」に初めて投資をしましたので、投資歴は「約4年」に過ぎません。
私のFIRE前の「投資スタンス」「投資銘柄」について
私が投資を始めた当初の投資スタンスは、「長期ほったらかし投資」です。基本的に、購入した銘柄は売却せずに保有し続けようと考えました。これは単純に、当時は会社員であったため、仕事で忙しく、投資に時間を割く余裕がなかったためです。投資にはできるだけ時間や手間をかけたくないと思っていました。
会社の仕事として、財務分析や業界調査といったことはやっていましたが、投資に際して個別企業の分析やチャート分析といったことを、時間をかけてやりたいとは思いませんでした。
「長期ほったらかし投資」と親和性があるということで、自然と「個別株」ではなく、「インデックスファンド」や「高配当ETF」に関心を持つようになりました。
FIREする前(2023年5月以前)に私が投資していた銘柄は、以下の通りです。
※スポット投資
【2020年2月】個人向け国債変動10年
【2020年2月~2021年前半】VYM等高配当ETF、VTI他
【2021年後半~2022年前半】QYLD等超高配当ETF他
【2022年前半~2022年後半】QQQ、楽天レバナス
【2023年1月~FIREするまで】スポット投資は中断
※クレカ積立・米株積立
【2020年2月~FIREするまで】
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
【2022年4月~FIREするまで】
VTI
QQQ
楽天レバレッジNASDAQ-100
私のFIRE後の「投資スタンス」「投資銘柄」について
FIRE後は会社員時代とは異なり、時間がありますので、投資に時間をかけることもできます。しかし引き続き、「投資にはできるだけ時間や手間をかけたくない」と考えています。
FIRE後に私が投資してきた銘柄は、以下の通りです。
※スポット投資
【FIREしてから~現在】スポット投資は中断
※クレカ積立・米株積立
【FIREしてから~2023年12月】
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
VTI
QQQ
楽天レバレッジNASDAQ-100
【2024年1月~現在】
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
FIRE後の変化としては、2024年に新NISAが開始されたタイミングで、投資銘柄を大幅に減らしていることです。スポット投資を中断していることはFIRE前と同様ですが、クレカ積立を「S&P500」と「オルカン」に絞った他、米株積立もやめています。
おわりに
「FIRE後の現金比率をどうすべきか? ~私の考え~」で書きました通り、私は現状では投資額を増やしてもよい状況です。このような状況にも関わらず、FIRE後に投資銘柄を減らしているのは、新NISA口座で今後18百万円の投資を予定していることもありますが、単純にポートフォリオをシンプルにしたいと考えているからです。
「FIRE後の現金比率をどうすべきか? ~私の考え~」で書いた「私が考える現金比率」は、「最低確保すべきと思う現金比率」であり、「その現金比率になるまで投資すべき」と考えているわけではありません。「現金比率」が一定水準確保できていることが重要なのであり、多めに現金を持っていること自体は問題ないと考えています。
特にFIRE後は、「資産形成期」は終わっており、むしろ資産を守る時期に来ていることが多いと考えられます。私は「51歳」ですので、まだ「投資の終活」をするには早いと思いますが、将来保有銘柄を現金化することも想定して、投資銘柄をあまり増やさないようにしたいと考えています。
投資界隈では「長期ほったらかし投資が最強」との主張をよく目にしますが、FIRE後も「長期ほったらかし投資」のスタンスを持ち続けてしまうと、最期まで保有銘柄を売却せずに、資産を使うことなく人生を終えてしまうということになりかねません。人生の最期に資産総額が最大になっても、何のために投資していたのか分かりませんし、全く意味がありません。
「長期ほったらかし投資」は何も考えなくてよいので、最も楽な方法ですが、FIRE後はある程度銘柄を集約して、証券口座の「定期売却サービス」などが使いやすいポートフォリオに調整していくことも必要であると、改めて感じました。