とある会社の株主総会での出来事

日常生活

はじめに

スマホを使っていると、たまに「あなたは1年前の今日、こんなところに訪問していました」といった通知がランダムで届くことがあります。グーグルの何かの機能なんでしょうか。

今日もそんな通知が届いたのですが、昨年の今日、私はある会社の株主総会に出席していました。

その会社のことではないのですが、20年以上前に出席した、ある会社の株主総会での出来事を思い出しましたので、書いてみたいと思います。

突然の株主からの動議

ある地方都市に本社のある、中小企業の定時株主総会でのことでした。

私の勤務先がその会社に出資していたことから、まだ新人だった私が一人で株主総会に参加することになりました。

ちなみに、かなり昔に出資関係を解消しているため、現在は勤務先とその会社に取引関係はありません

ちょうど今頃の6月下旬頃でした。記憶が曖昧なのですが、その株主総会では、「決算承認」の他に、「退任取締役に対する退職慰労金支給の件」が付議されていました。

退任取締役というのは、私が日常的にお会いしていた、総務担当役員の「A常務」のことです。

総会では、「決算承認」等は問題なく可決されたのですが、「退職慰労金支給の件」の審議に入った際、突然、株主の一人から「動議!」との発言がありました。

動議の内容

動議の内容は、以下のようなものでした。

・今回退任するA常務は、日頃の勤務態度が悪いため、退職慰労金は大幅に減額すべきである。

・勤務態度が悪いことについては、興信所の調査報告書があるので、この場で回覧したい

回覧された探偵社の報告書には、A常務が平日の日中に、パチンコを打っている写真が掲載されていました。

その会社はいわゆるオーナー企業で、業績はあまりよくありませんでした社長はオーナー家の人だったのですが、A常務は非同族でした。

動議発言のあった株主は、たしか女性でしたが、今思えば、オーナー一族の人だったかもしれません

そのとき、A常務がどのような反応だったのか、オーナー社長がどのような反応だったのか、全く記憶がないのですが、動議発言をした株主からは、私に対しても、「法人株主であるおたくはどう考えるのか?」と質問されました。

株主総会といっても、上場企業のように何百人も株主が出席しているわけではなくオーナー家と幹部社員の他は、私くらいしかいないような状況でした。

当時私はまだ新人で、株主総会への出席も、おそらくはじめてでしたので、まさかこんなことが起こるとは夢にも思わず、ただただ面食らったのを覚えています。

私は、勤務先からの委任状を持参して、この株主総会に参加していたわけですが、委任されているのは、あくまでも事前に受け取っていた株主総会招集通知に書かれている議案に対してのみであり、動議の内容についてまで、委任されているわけではありません

結論的に私は、この動議に対しては、「賛成も反対もできず、発言は控えたい」旨、伝えました

おわりに

その後、動議がどう処理されたのか、また、A常務は退職慰労金を満額受け取れたのかは、覚えていません。

A常務が実際に、勤務中にパチンコを打っていたのかは知りません。

ただ、そもそもA常務は「使用人」たる取締役なわけですから、就業規則が適用される従業員とは異なり、平日の日中に何をやっても問題ないようにも思えますが、A常務の場合は確か、「総務部長」を兼務していたので問題になったのかもしれません。

また、一般的に、株主総会では退職慰労金支給のみを決議し、その金額は取締役会に一任することが多いと思います。減額したいなら取締役会でやってくれというのが私の気持ちです。

私の記憶では、A常務は人間的にはとてもよい人だったので、個人的には満額受け取っていてほしいような気もします。

現在の「会社法」が施行される前の「商法」の時代ですが、法律的にはどのような対応が正しかったのでしょうか?

もしA常務が、老後の資金として退職慰労金をあてにしていたにもかかわらず、総会の動議で退職金がなくなってしまったりしたら、老後の計画が大幅に狂ってしまいます

「身から出たサビ」なのであれば仕方ありませんが、老後の資金計画が台無しになってしまうのは痛すぎます。

一ついえることは、この会社のような業績の悪い会社に限って、株主総会で動議が出されたり、内紛があったりすることです。

以上、特にオチはないのですが、今年も株主総会シーズンを迎える中で、昔の出来事を思い出しましたので、ブログ記事にしてみました。

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