新入社員の自分に伝えたかったこと ~より充実したFIRE生活のために~

FIRE・早期退職

はじめに

今年も4月になり、多くの方が新入社員として新たな門出を迎えていることと思います。かくいう私も、26年前の「1998年4月1日」に、某金融機関に入社し、希望に胸を膨らませていました

今回は、25年勤務した会社を退職し、1年が経過した私が、当時の私に伝えたかったことを書いてみたいと思います。

なお、以下で書く「自分に伝えたかったこと」は、あくまでも「私の場合」です。私の性格等を踏まえたものであり、万人にあてはまるものではないことをご留意ください。

新入社員の自分に伝えたかったこと

私が、新入社員の自分に伝えたかったことは、以下の4つです。

最低でも10年間は仕事を頑張るべき

貯金が1,000万円を超えたら資産運用すべき

投資対象は個別株ではなく、インデックスファンドにすべき

FIRE前に資産を貯めすぎるべきではない

①最低でも10年間は仕事を頑張るべき

まず①について、私はまだ会社で消耗してるの?という過去記事で、「出世することは鎖自慢でしかない」と書きました。しかし私はなにも「新入社員時代から仕事を頑張るな」と言いたいわけではありません。実際に私も、25年間の会社員生活のうち、当初の15年間くらいは一生懸命、真面目に仕事に取り組んでいました。そしてこのことは今でも間違っていなかったと思っています。

新入社員の頃から「一日でも早くFIREしたい」と考えてしまうと、結局はうまくいかないように思います。気持ちは分かりますが、毎日辞めたいと思いながら仕事をしても、仕事に身が入りませんし、その結果成果が出ず、給料も上がりません10年間頑張る過程で、いろいろな社会の仕組みも見えてきますし、給料が増えることで、その後の資産運用でカギとなる「種銭」を築くことができます

逆説的ですが、会社で苦労すればするほど、FIRE後の生活が素晴らしく感じるという効果もあります。

②貯金が1,000万円を超えたら資産運用すべき

②について、私自身は貯金が1億円を超えるまで、資産運用は全く行っていませんでした。私が投資を始めたのは「2020年2月」で、私が「47歳」(入社後約22年)のときでした。詳細につきましては、「私の投資歴を公開します」(過去記事)をご参照ください。

私は会社員時代の後半には、「毎年600万円程度」は資産運用しなくとも貯金できていたため、これで十分だと思っていました。資産運用することで、それ以上に資産が増える可能性があることは承知していましたが、相場次第で却って減ってしまうことがあるのであれば、毎年600万円を淡々と積み上げていくだけでよいと思っていました。貯金だけであれば、5年後(+3千万円)、10年後(+6千万円)の保有資産が、かなり正確に推測できたわけです。

しかし今振り返ってみれば、もっと早い段階から資産運用を始めるべきだったと後悔しています。貯金が1,000万円を超えたら、超えた分は全て米国のインデックスファンドに投資するのがよいと思っています。

逆に言えば、貯金1,000万円までは資産運用しなくてよいと考えているわけですが、これは、資産運用無しで1,000万円を貯金する過程で、基本的な節約生活が身につくと考えているからです。FIRE後は一部の大金持ちを除いて、節約生活が基本になると思いますので、その方法を身に着けるのは、FIRE後を見据えて必要不可欠なことだと思います。

③投資対象は個別株ではなく、インデックスファンドにすべき

③について私はこれまで、個別株にはほとんど投資してきませんでした。それは、「個別株の怖さ」を身をもって体験したことによります。私は資産運用を始めるかなり以前から、投資に対する興味は持っていました。そして投資するなら、「東京電力」の株がよいと思っていました。当時東京電力株は高配当で有名でした。電力需要がなくなることは考えられず、東京電力株に数千万円投資していれば、そこから得られる安定的な配当だけで、働かなくても生活できると、本気で考えていました。

東京電力の経営が揺らぎ、株価が暴落することなど考えられませんでしたが、東日本大震災の発生であっけなくその予想は覆されました。もし私がもっと早い段階から投資をしていたら、間違いなく東京電力株に数千万円を突っ込み、その後の暴落で大損していたと思います。

この経験からも、私は自分自身に個別株投資のセンスが全くないと思っています。結局は何も考えずに、米国のインデックスファンドに投資しておくのが最適解だと信じています。

④FIRE前に資産を貯めすぎるべきではない

④について、私はFIREしたいという思いはありつつも、「もう少し保有資産を増やしてからの方がよいのではないか?」と思い続け、保有資産が1億円を超えた段階でも、FIREを実行することができませんでした最終的に私がFIREを決断して、会社に退職意思を伝えた「2023年2月20日」時点で、保有資産(退職金を除く)は「約1億5千万円」ありました。

今考えてみれば、もっと保有資産が少ない段階でFIREすべきであったと思います。もちろん、保有資産が多いことでの安心感はありますが、それ以上に、もっと早くFIREしていれば得られていたであろう時間の方が貴重だと思います。

保有資産がいくらの時点でFIREすべきだったのかは、明確には分かりませんが、FIRE後の現在の保有資産が「1億9千万円程度」(証券口座の含み益に係る税金を除く)まで増えていることを鑑みると、実際よりも▲5千万円くらい少ない、「保有資産1億円程度」でFIREしていれば十分だったのではないでしょうか?

その場合、私が「貯金1億円」を達成したのは、「就職後約20年後」ですので、資産運用せずとも、実際よりも「5年程度」はFIRE時期を早められたことになります。なお、私が「貯金1億円」を達成した時期については、【お詫び】私が「就職後21年間」で「貯金1億円」を達成したというのは誤りでした」(過去記事)をご参照ください。

おわりに

私が新入社員だった「1998年当時」は、もちろん「FIRE」などという言葉や概念はありませんでした定年まで勤め上げるというのが常識でしたし、転職する人もかなり少なかったように思います。

特に私は「氷河期世代」ですので、「せっかく就職活動で苦労して、希望する会社から内定がもらえたのに、すぐに退職してしまってはもったいない。この会社で定年まで頑張ろう」と、無意識のうちに考えていたように思います。

私が仮に、新入社員時代から上記の①~④を意識していたら、相場次第ではありますが、「入社15年後」「40歳前後」(仮に大学入学時に浪人せず、大学院にも進学していなければ37歳前後)「保有資産1億円程度」でFIREできていたのではないかと思います。そもそも資産運用無しでも「45歳頃」には貯金が1億円ありましたので、資産運用の開始時期を早くしていれば、それよりも5年くらい前には「保有資産1億円程度」になっていたのではないかとの推測です。

つまり、現実よりも「10年早く」FIREできていたことになります。「10年間」という時間の価値はいったいいくらでしょうか?私は、とてつもなく大きな価値のものを掴み損ねてしまったのかもしれません。

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