【悲報】FIRE終了のお知らせ

FIRE・早期退職

はじめに

ゴールデンウィークが始まり、会社員の方はウキウキした気分なのではないでしょうか?そんなウキウキした気分に水を差す、「FIRE終了」ともいえるような、とんでもない大悲報が飛び込んできました。

私はこの悲報を、金融所得で保険料増を検討 医療介護、不公平見直し」という、共同通信のネット記事で知りました。

FIRE後に配当金で生活費を賄おうと考えている方にとっては、大打撃ともいえる内容です。今回はこの悲報の内容について、書いてみたいと思います。

現在の「配当と社会保険料の関係」

悲報の内容を説明する前に、まずは現在の「配当と社会保険料の関係」を説明しますと、以下の通りとなります。

【現在の「配当と社会保険料の関係」】

現在、特定口座(源泉徴収あり)で株式の配当やETFの分配金等を受け取る場合、約20%の税金(所得税・住民税)が差し引かれた金額が証券口座に入金される。

現在、配当や分配金に係る金融所得については、以下の3つの選択肢がある。
 確定申告しない(申告不要)
 確定申告する(分離課税)
 確定申告する(総合課税)

は確定申告を行わないので、配当・分配金分の所得が増えることはなく、社会保険料負担(国民健康保険料等)が増加することはない。

②③の場合は、確定申告することで、例えば、分配金の外国税額控除が受けられるといったメリットがある一方で、配当・分配金分の所得が増えてしまうため、社会保険料負担が増加するというデメリットがある。

投資家が①②③のどれを選ぶかについては、それぞれのメリット(例:適用される所得税率の低下や、外国税額控除による還付金)とデメリット(例:国民健康保険料の増加)を比較して決定することになる。

私自身は、今年3月の確定申告では、上記③(総合課税)を選択しました。①②③のうち、③が最もメリットが大きいとのシミュレーション結果が得られたことによります。詳細については、「FIRE後に必要な確定申告③ ~外国税額控除を行うべきか否かのシミュレーション~」(過去記事)をご参照ください。

悲報の内容 ~確定申告しなくても、配当で社会保険料が増える~

以上の内容について、自民党のプロジェクトチームが検討を開始した内容(悲報の内容)は、以下の通りです。

【自民党のプロジェクトチームが検討している内容】

株式の配当等に係る金融所得のうち、課税の手続きで確定申告をするかしないかを選べる所得について、社会保険料算定の基礎となる所得に含める案

2028年度までに検討を進める。

要するに、「確定申告しなくても、配当収入があれば社会保険料を増やす」ことが、自民党で検討されています。投資家(FIRE民)が上記①②③のいずれを採用しようが、配当収入があれば、社会保険料負担を増加させるということです。

高齢者の医療費が増大する中で、その財源を、比較的財産を持っており、配当収入等がある層(高齢者自身やFIRE民)から徴収することで、公平性を高めることが狙いになっているようです。

悲報が現実になったら ~私の場合~

私は上述の通り、今年の3月に行った「令和5年分確定申告」では、配当・分配金収入を「総合課税」で申告しました。

区役所に、配当・分配金収入を「総合課税」で申告した場合の、今年4月からの国民健康保険料を確認したところ、「年間768,000円」とのことでした。ただし、私は「退職後2年目」として、健康保険は「任意継続」(年間408,143円)を選んだため、確定申告による社会保険料の負担増加を避けることができました詳細は、「任意継続健康保険料を支払いました【12か月前納】」(過去記事)をご参照ください。

もし、上記の「自民党案」が現実になってしまい、私の配当収入(年間手取り額200万円程度)にも変化がなかった場合は、非常に大雑把な試算ですが、「毎年+30万円以上」は、現在よりも国民健康保険料の負担が増える可能性があります。

10年で「+300万円」、20年で「+600万円」、30年で「+900万円」の負担増ですので、とてつもなく痛い負担増加です。先日のブログ記事で取り上げた「国民年金納付期間5年延長案」の負担増「+100万円」の比ではありません

おわりに ~将来的には金融資産保有額で社会保険料負担を判断?~

本件に関して、財務省が作成した資料は、こちらから見ることができますリンク先PDFファイルの「94ページ」(スライド右下の番号では「93」)に出ている「金融所得の勘案」という項目をご参照ください。

なお、新NISA口座で得た配当金等については、同「94ページ」に「保険料においても賦課対象としないことを前提とする必要がある」と記載されており、とりあえずは社会保険料増加にはつながらないようです。

ちなみに同財務省資料の次のページ(95ページ・スライド右下の番号では「94」)には、「金融資産等の取扱い」という項目があり、「医療保険・介護保険における負担の在り方全般について、マイナンバーを活用して、金融資産の保有状況も勘案して、負担能力を判定するための具体的な制度設計について検討を進めていくべき」という、怖いことが書かれています。

2028年度までに検討ということで、少し先の感じもしますが、2028年なんてあっという間だと思います。

今回はあくまでも社会保険料負担の話ですが、近い将来には金融所得課税の増税が行われる可能性も少なくないと思いますし、マイナンバーによって個人が保有している金融資産が丸裸にされ、一定額以上持っていると大幅な負担増や増税になる未来が見えます。

このような状況では、「配当収入で生活費を賄っていく」前提でFIREするに際しては、「保有資産がいくらあるのか?」「FIRE後の不労所得がどれくらい見込めるのか?」といった「経済的な前提条件」が今まで以上に厳しくなっていくものと考えられます。

これからFIREを予定している方や、既にFIREしている方にとって、とてつもなく大きな影響のある話であり、引き続き情報収集していきたいと思います

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