はじめに
私は昨年5月末に25年間勤務した会社を退職しました。FIRE生活に入って1年以上になります。
米国ETFへの投資を中心に資産運用を行っており、2023年の配当収入(税引後の手取り額)は「約200万円」でした。詳細は「【2023年】1年間の分配金収入を公開します」(過去記事)をご参照ください。
今回は、「FIRE生活において配当収入は経済的な支えになるのか?」や「FIRE生活における配当の意味」について書いてみたいと思います。
FIRE生活において配当収入は経済的な支えになるのか?
私が楽天証券で口座を開設し、初めて米国ETFを購入したのは「2020年」です。詳細につきましては、「私の投資歴を公開します」(過去記事)をご参照ください。
当時私は既に「1億円以上」の資産を保有しており、資産拡大よりも、資産を守りつつ配当での安定的なキャッシュフローを得たいと考えていたことから、いわゆる「高配当ETF」を中心に投資してくことを考えていました。そして、生活費を上回る配当収入を得ることが目標でした。
そんなわけで、私が楽天証券口座で初めて購入したのは、高配当ETFの定番である「VYM」「HDV」「SPYD」です。その後も、これらの銘柄については追加投資をしていきました。

当時は、インカムゲイン(配当収入)の極大化が最重要であると思っていましたし、インカムゲインとキャピタルゲイン(売却益や含み益)は全く別のものとして認識していました。キャピタルゲインを得ることはあまり重視していませんでした。
しかし、FIREして1年以上が経過した今は、インカムゲインを増やすことは考えていません。むしろ、配当を受け取ると税金が発生するため、配当は受け取りたくないとさえ思っています。
現在は、インカムゲイン(配当収入)とキャピタルゲイン(含み益)を区別して認識することはなく、同じものとして認識しています。米国ETFから分配金収入(ドル建て)がある都度、楽天証券口座内でMMF(ドル建て)を購入しています。分配金を日本円に換えて銀行口座に払い出し、生活費に充当するといったことは行っていません。

配当収入のみで生活費を賄うのではなく、インカムゲインとキャピタルゲインの合計で生活費を賄えればよいと考えています。配当収入を得ることでキャッシュフロー(現金収入)が確保できることは事実ですが、私の場合は、現時点でも「7千万円以上」の無リスク資産(現金預金・個人向け国債)を保有しているため、キャッシュフローがなくとも、そこから生活費が賄えます。
以前、「FIREに際して給与収入がなくなることを恐れなくてよい理由」という記事でも書きましたが、「年間200万円程度」の配当収入では、資産運用のマイナス分をカバーできるだけの安定収入にはなり得ません。私の場合は、FIRE生活において配当収入は経済的な支えにはならないと考えています。
おわりに ~配当収入があることで生活はより豊かになる~
もし保有資産の大半を資産運用に回していたら、配当収入で生活費を賄うという考え方も理解できますが、私の場合は「無リスク資産」(現金預金・個人向け国債)の比率が「約4割」と高いため、躍起になって配当収入(現金収入)を増やす必要がないということです。
なお、配当金収入が大きいということは、日々のキャッシュフロー(現金収入)が大きいことを意味し、キャッシュフローが大きければ大きいほど、人は日々の生活での出費を厭わなくなるようにも思います。配当を得ることで、FIRE後の生活がより豊かになるという側面はあるのかもしれません。

私の場合は、キャピタルゲイン(含み益)はかなり増加しているものの、インカムゲイン(配当収入)がほとんど増えていないため、保有資産総額が増えている割には生活コストは上がっておらず、生活が豊かになっているという実感がありません。
逆に言えば、FIRE後にもしっかりお金を使って、豊かな生活が送りたい人は、配当収入を増やすというのも一つの有効な選択肢になるかもしれません。
以上をまとめますと、「FIRE生活において配当収入は経済的な支えにはならないが、配当収入によって日々の出費を厭わなくなり、生活がより豊かになる可能性がある」ということだと思います。