はじめに
先日母親から、「詐欺の電話がかかってきた」との話を聞きました。過去にも詐欺電話がかかってきたことはあるのですが、今回のケースは、個人的にこれまで経験のない手口でしたので、注意喚起の意味も込めて、記事にしてみたいと思います。
某県立病院からの電話
母親から聞いた話によると、概要は以下の通りです。
・平日の午前11時過ぎに、某県立病院耳鼻咽喉科の医師を名乗る男から電話があり、母親が出た。
・男によると、「息子さん(私の兄)の喉にポリープがあり、癌化する可能性がある。遺伝性のある病気なので、家族の病歴を教えてほしい」とのこと。母親が関連しそうな病歴を回答。
・男から、「ご主人(私の父)に電話をかわってほしい」といわれたので、父が電話に出たところ、すぐに電話が切れてしまった。
・電話後に、不審に思った母が調べたところ、名乗ったのは某県立病院に実在する医師の名前だった。母親が某県立病院に電話したところ、窓口担当者がその医師の携帯に電話をしてくれたが、つながらなかった。
・母親が兄に電話したところ、そんな県立病院で診察した事実はないとのことだった。
母親が信用してしまった要因
母親は、息子の私から見ても、詐欺に引っかかるようなタイプではありません。母親自身でも、「私は詐欺には引っかからない」と常日頃言っています。
そんな母親が、今回は先方を信用して、家族の病歴について話してしまったわけですが、それには以下の要因があったと思います。
要因1:先方が私の兄の名前を正確に読めたこと。
要因2:兄が最近、喉の診察を受けていたこと。
先方は、兄の名前を知っていました。兄の名前はあまり一般的な名前でなく、よく読み間違われるのですが、男は正確な読みを知っていました。
また、兄は最近喉の診察を受けており、そのことを母親は知っていました。
もし先方が、兄の名前を知っているだけであれば、母親は信用しなかったかもしれません。今回は、兄の名前に加えて、兄が最近、喉の診察を受けていたという事実があり、この2点が先方の言っていることと符合したため、信用してしまったのだと思います。
人は、先方が言っていることに、ひとつのことだけ事実があっても、先方を信用しないのかもしれませんが、2つの事実があれば、途端に信用してしまうものなのかもしれません。
おわりに
今回の詐欺電話が、今までかかってきた電話と違う点は、先方がこちらの家を特定してかけてきていることです。今までのケースは、不特定多数にかけているような内容の詐欺電話でしたが、今回は、先方が兄の名前を知っており、明らかにこちらを特定して電話をかけてきています。
先方が、どこから兄の名前や、母親の電話番号を知ったのかは不明です。
父が電話に出たら切れてしまったということは、こちらの家族構成は把握していないのかもしれません。母親が一人暮らしであれば、詐欺をするつもりで、電話してきた可能性もあります。
とりあえず、私から母親には、警察に通報した方がよい旨、伝えました。警察がすぐに何かしらの対応をしてくれるとは思いませんが、通報した記録を残しておく意味はあると思います。
私は今回のような詐欺電話は初めて聞いたのですが、ネットで調べてみたところ、同じような事例があるようです。病院から同様の電話があり、最終的には「手術をしなければならないが、お金がかかる」と言って、お金を要求されるようです。ネット情報によれば、なぜか、耳鼻咽喉科のケースが多いとのことです。
詐欺電話もいろいろな手口が出てきているので、うっかり信用してしまうこともあると思います。みなさんも病院から家族の病歴を尋ねる電話がありましたら、間違いなく詐欺ですので、お気をつけください。