「こんなに良い会社を辞めるなんてもったいない」という思い込み

FIRE・早期退職

はじめに

私は昨年5月末に、25年間勤務した会社を退職しました。退職した会社はいわゆる「ホワイト企業」でしたので、入社して15年間くらいは、FIREするなどということは一切考えず、「こんなに良い会社を辞めるなんてもったいない。何とか定年までしがみつこう」と本気で思っていました

ちなみに、私の勤務先がどれぐらいホワイト企業だったのかについては、元同僚は退職した私をどう思っているのか?」(過去記事)をご参照ください

FIREを目指すような人は、相応の資産を持っている人が多く、いわゆる「良い会社」に長年勤め、給与水準が高い人も少なくないと思います。そのような人は、FIREを目指しつつも、「こんなに良い会社を辞めてしまって後悔しないだろうか」という疑問を、多かれ少なかれ感じているのではないでしょうか?

しかし、「こんなに良い会社を辞めるなんてもったいない」という考えは妥当でしょうか?

「こんなに良い会社を辞めるなんてもったいない」という思い込み

私が勤めていた会社では、多くの社員が「うちの会社は稀に見る良い会社なのだから、辞めたらもったいない」ということを、口に出して言っていました中途採用で他社から転職してきた方々も、「うちの会社は良い会社だ」と言っていましたので、私もそうなんだろうと漠然と思っていました

しかし今思えば、社員自身が「辞めるのはもったいない」と思うのは、自然なことだと思います。そもそも社員は、「自分が今の状況で幸せである」と信じたいので、本能的に現状を肯定するものなのではないでしょうか?

「辞めるのはもったいない」と言っている社員自身は、FIRE経験者ではありません。また、家族が「辞めるのはもったいない」と言うケースがあるかもしれませんが、その家族もFIRE経験者ではありませんFIREという選択肢があるということを理解せずに、「現在の会社員生活以上に素晴らしい人生があるはずがない」と思い込んでいるわけです。

「うちの会社の社員であることは素晴らしい」という自己暗示をかけることで初めて、仕事に邁進できるのです。「他にもっと素晴らしい人生がある」ということを認めてしまうと、仕事のモチベーションが下がってしまいますので、「会社で働く以外に素晴らしい人生があろうはずがない」と思っているわけです。

おわりに

もっとも、「こんなに良い会社を辞めるなんてもったいない」と考えている圧倒的多数の社員は、死ぬときにも「定年まで働いた人生は幸せだった」と思い込んだままであり、過ちに気付かないまま死んでいくので、ある意味では幸せなのかもしれません。

しかし、もともと「こんなに良い会社を辞めるなんてもったいない」と考えていた私自身がFIREしてみて感じるのは、私自身の幸せな人生は、会社の中ではなく、会社の外にあったということです。私は思いきって退職した結果、FIREの素晴らしさを知りました。その自分から見れば、会社員としての日々の生活にばかり目を向けて、視野の狭い多くの人達は、限られた時間を浪費しており、もったいない人生を送ってしまっているように思えてならないのです。

「会社を辞めないなんてもったいない」と、心の底から思います

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