両親と旅行に行きました【SHINRA YORO VALLEY】

旅行

はじめに

5月の平日に3泊4日で、両親と旅行に行ってきました。1年ぶりの旅行になります。前回は「静岡県」に行ったのですが、今回は「千葉県」に行きました

具体的な行き先は「養老渓谷」(養老渓谷温泉)です。場所は房総半島のほぼ中央になります(画像は「ゆこゆこ」ホームページより)。

3泊とも宿泊先は以下の旅館で、同旅館に宿泊したのは今回が初めてです(養老渓谷自体は過去に複数回訪問しています)。

宿泊先:SHINRA YORO VALLEY by 福水

千葉県夷隅郡大多喜町小田代589-2

「SHINRA YORO VALLEY」について

SHINRA YORO VALLEY」は今年の「3月21日」に開業したばかりの新しい旅館です。千葉県館山市で複数の旅館や飲食店を経営している「花しぶきリゾート」が館山市外で初めて開業した旅館になります。

両親との旅行でどこに宿泊するかをネットで調べていて、たまたま新規オープンの広告が出てきたのが、この旅館を知ったきっかけです。

新しい旅館だけに口コミや情報がほとんどなかったのですが、もともと数年前に「花しぶきリゾート」の「海の湯宿 花しぶき」に宿泊したことがあり、料理がおいしかった記憶があったので、「同じグループの旅館であれば、大外しすることはないだろう」との安心感と、新しい旅館に宿泊できる機会も滅多にないと思ったことから、予約することにしました

旅館の正式名称が「by 福水」となっていますが、実はこの旅館は、長年営業していた「渓流の宿 福水」をリノベーションした施設になります。日経新聞の記事によると、以下の通りです。

千葉県館山市で複数のホテルを運営する花しぶきリゾート(こがね、同市)は、紅葉で知られる養老渓谷(同県大多喜町)で既存の旅館を引き継ぎ、高級ホテルとして再生する。施設や料理のグレードを引き上げ、単価は1泊平均4万円以上に設定する。比較的若い世代の利用を促し、高齢者層に依存する同渓谷に新風を吹き込む。
同社が館山市外の施設を運営するのは初めて。2023年に大多喜町の「渓流の宿 福水」を継承した。

「花しぶきリゾート」のグループに入り、経営体制は刷新されているようです。従業員の方の話によれば、「女将さんは福水時代から変わっていないが、従業員は1人以外全員入れ替わっている」とのことでした(ちなみに女将さんと宿泊中に会うことはありませんでした)。

ここからは私の想像なのですが、「渓流の宿 福水」としての事業承継を考える中で、自身単独での承継よりも、南房総エリアで知名度のある「花しぶきリゾート」の傘下に入り、高価格路線に変更する道を選んだのだと思います。

「SHINRA YORO VALLEY」の運営会社は、領収書の記載によれば「㈱福水」となっていますので、M&Aで「花しぶきリゾート」が「㈱福水」を買収(株式取得による子会社化)したのでしょうか?買収条件の一つとして、「福水」の名前を残すことがあったのかもしれません「渓流の宿 福水」は過去の口コミによると、評判の良い旅館だったようです

「SHINRA YORO VALLEY」の概略は以下の通りです。

「バレーサイドクラシック棟」(陸側)と「リバーサイドヴィラ棟」(川側)に分かれており、前者は「渓流の宿 福水」時代の建物をそのまま使用しているようです。今年3月のオープンにあわせて新しく建設されたのが「リバーサイドヴィラ棟」です。

私は今回、いくつか部屋のグレードがあるうちの「リバースケープルーム」(リバーサイドヴィラ棟)に宿泊しました。間取りは以下の通りで、養老川を望むテラス(ソファー有り)に客室露天風呂が付いています(画像は公式ホームページより)。

以下の写真は、全て私が撮影したものです。オープンして間もないだけあり、部屋や設備はとても新しく、とても快適に過ごせました(3人で利用したため、エキストラベッドを1台入れています)。

私はテラスのある客室が好きなのですが、当旅館のテラスは十分なスペースがありますテラスから見える景色には人工的なものが一切なく、養老川のせせらぎに加えて、地元の観光名所の一つでもある「懸崖境(けんがいきょう。約100万年前に形成された地層で、もともと海底で押し固められた地層が地殻変動で地上に隆起したもの。上の写真のテラス正面に見える地層のこと。紅葉の名所でもある)を間近に見ることができます

テラスのソファーに座ってボーっとしているだけで、とても癒されました養老川にが大きな鯉が泳いでいるのも見えました

客室露天風呂も十分な広さがあり、養老渓谷温泉特有の「黒湯」を堪能することができました「黒湯」はその名の通り、黒褐色のお湯で、地層に含まれる鉄分や植物が長い年月をかけて分解された「腐植質」を含んでいるとのことです。

食事について

養老渓谷は海沿いではなく、山の中にあるため、宿泊する前のイメージでは肉料理が主体になるのかと想像していました。一方で、花しぶきリゾート」は自社の漁船と定置網を保有する「網元」であることを売りにしており、私が以前宿泊した「海の湯宿 花しぶき」では海鮮がおいしかったので、今回の宿泊ではどのような料理になるのか楽しみにしていました

結果的には、夕食、朝食ともに、個人的には大満足な内容でした。決して各料理に派手さはないものの、一つ一つの料理について、一流の料理人が手間暇かけて丁寧に調理していることが感じられました器や盛り付けも凝っており、「質のよい料理を少しずつ食べたい」という私の希望にぴったりでした(とはいえお腹いっぱいになりました)。野菜が豊富なのもよかったです。料理については、高齢の両親(父親89歳、母親81歳)にも好評でした

ちなみに食事会場(個室)は「バレーサイドクラシック棟」(「リバーサイドヴィラ棟」よりも高い位置にある)にあるため、食事の都度、屋外に出て坂を上り下りする必要があります。足腰の弱い方は、依頼すればカートで送迎してもらうこともできますが、今回は利用しませんでした

また、「リバーサイドヴィラ棟」の宿泊者については、朝食についてのみ、部屋にデリバリーしてもらって部屋で食べることも可能なのですが、今回は全て食事会場で食べました仮に持ってきてもらう場合には、弁当箱のような形になるようなので、食事会場で食べるのと食事内容が多少異なる可能性がありますが、詳細は不明です。

(1日目夕食)

(2日目朝食)

(2日目夕食)

(3日目朝食)

(3日目夕食)

(4日目朝食)

良かったところ・悪かったところ

良かった点以下の通りです。

部屋のテラスが広く、景色が素晴らしい。

客室露天風呂が気持ちよい。

食事の質が高い。

「リバーサイドヴィラ棟」については新築であり、部屋や設備がとてもきれい。

接客がよい。

雰囲気がよく、洗練されており、高級感がある。

オープンして2か月程度しか経っていないことから、オペレーションが混乱しているかもしれないと思ったのですが、そんなことは全くなく、接客や食事の配膳ペース等、問題ありませんでした

部屋、客室露天風呂、食事の全てについて、とてもレベルの高い旅館だと思います。花しぶきリゾート」はもともと、SHINRAブランドで館山で旅館を運営していますので、そのノウハウが活かされているのだと思います。

細かい点ですが、部屋に給水機(冷水・お湯)が設置されており、重宝しました。よく旅館では冷水の入ったポットが部屋に置かれていることがありますが、何度も風呂に入る私としては冷水が足りなくなることが多いので、助かりました

一方で、悪かった点以下の通りです。

食事会場が「バレーサイドクラシック棟」にあるため、「リバーサイドヴィラ棟」の宿泊者は食事の都度、坂を上り下りする必要がある。

部屋のシャワールームで身体を洗ってから、テラスの露天風呂までの移動が遠い。

敷地内や部屋内に多少段差のある個所がある。

今回は天気に恵まれたのでよかったのですが、雨の場合は食事会場への移動が大変だと思います。外を歩かないといけないので傘をさす必要がありますカートを利用するのもちょっと面倒です。なお、坂自体は、晴れてさえいれば高齢の両親でも問題ありませんでした(ちょっとした運動になってむしろよかったです)。

リバースケープルーム」の場合、部屋のシャワールームは玄関のすぐ横にあるのですが(上の間取り図参照)、そこからテラスの露天風呂に行くには、玄関前の謎のスペースを通り抜ける必要があります(その間、2つの扉を開ける必要あり)。露天風呂の横にシャワールームがあるのが理想であり、動線に問題があると思います。

また、旅館自体が傾斜地に建設されているからかもしれませんが、敷地内や部屋内の段差で転びそうになる場面がありました。例えば、部屋内ではベッドスペースと洗面・トイレスペースの間に2段程度の階段があり、夜間に目覚めてトイレに行く際は注意が必要です(特に高齢者)。ただこの点に関しては、「強いて挙げれば」という程度で、気にならない人も多いと思います。

宿泊費用について

私は旅館やホテルは「楽天トラベル」で予約することが多いのですが、私が予約した時点では、当旅館は開業間もないこともあってか、楽天トラベルでは予約できませんでした(現在は予約できるようです)。

旅館の公式サイトから申し込みましたので、ポイントが付与されない分、やや割高になってしまったかもしれませんが、こればかりは仕方ないです。

逆に言えば、楽天トラベルの各種キャンペーン(「5と0のつく日」「LUXURY DAYS」等)を利用すれば、実質的にもう少し安く宿泊できる可能性があります(当旅館がそれらキャンペーンの対象なのかは不明)。

リバースケープルーム
3名×3泊
※5月の平日に宿泊。

合計料金:445,500円
(入湯税含め1人1泊49,500円
※食事時の飲み物代は別途。

おわりに

「1泊約5万円」と価格はそれなりですが、部屋、客室露天風呂、食事、接客と、いずれもレベルは高く、価格に見合った内容だと感じました。私がここ数年で宿泊した中では、ベストな旅館だと思います。贅沢で非日常的な時間を過ごし、日頃の疲れやストレスを温泉で癒したい方にはおすすめです。何かの記念日に行くのもよいかもしれません

当旅館に宿泊するのであれば、ぜひ部屋からの眺望に恵まれている「リバーサイドヴィラ棟」の部屋をおすすめします1泊でも楽しめると思いますが、連泊することでより一層、その魅力が堪能できると思います。周辺の観光よりも旅館での滞在を重視している人に向いています

ちなみに、「渓流の宿 福水」時代の大浴場をそのまま客室露天風呂にした「湯治デザインルーム」という部屋があり、温泉好きにはよさそうです。風呂を重視する私としては、ぜひ泊まってみたいと思ったのですが、この部屋は残念ながら「最大定員2名」のため、今回は選べませんでした(エキストラベッドの利用はできない模様)。その他、サウナ付きの部屋もあります

また、この旅館には「プー露」という温泉プールがあります(予約不要・無料)。今回は利用しませんでしたが、混浴の温泉気分で家族で入るのも楽しそうです(備え付けの水着着用)。

(以下は、今回撮影した旅館内の写真)

おまけ(周辺の観光について)

3泊ずっと部屋に籠っていてもよかったのですが、天気に恵まれたので「濃溝の滝」「大多喜城」「遠見の滝」を観光しました。

養老渓谷といえば「粟又の滝」が有名ですが、過去に複数回行っていることに加え、同滝は長い階段を下りて行く必要があり、高齢の両親にはきついことから、今回は行きませんでした

濃溝の滝※「ジブリの世界のような神秘的な光景」として、数年前に話題になった滝です。

大多喜城※天守閣の中にある「千葉県立中央博物館大多喜城分館」は改修工事のため長期休館中です(敷地内を散策することは可能)。

遠見の滝※当旅館すぐ近くにある「山の駅 喜楽里」の敷地内にあります。

以上、みなさまのご参考になれば幸いです

※私が過去に宿泊した旅館等については、旅行カテゴリーの各記事をご参照ください。

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