はじめに
私は５月３１日に退職日を迎え、２か月ぶりに会社に行きました。朝スーツを着て、いざ家を出ようと腕時計を手に取ったのですが、電池切れで止まっていました。
有休消化期間中（４月～５月）は、外出する際にも腕時計をしていなかったため、電池切れに気付いていなかったのです。
この腕時計は、会社員時代には毎日使っていたもので、私が最も愛用していたパートナーのような存在でした。
私が使っていた腕時計
この腕時計は、「グランドセイコー」の「SBGT015」というモデルです。
保管してある保証書を見ると、「２００７年１月」にビックカメラで購入しています。現在は廃番になっているモデルなので、グランドセイコーの公式サイトには出ていません。
現在ネットで調べてみると、「定価325,500円」と出てくるのですが、そんなに高い値段だった記憶はありません。間違っているかもしれませんが、私が購入した頃の定価は２０万円くらいだったように思います。材料価格高騰等の影響で、定価自体が何度か改定された記憶があります。
ちなみに私は、いわゆるブランド物や高級品を買う趣味はありません。値段の高いものは唯一、この腕時計くらいです。服やカバン、靴等は、安いもので済ませています。
例えば、会社員時代に着ていたスーツは、上下で３万円程度の気に入っていたスーツの色違いを９着（３色×３着）購入し、着回していました。傍から見れば、私はスーツを３着しかもっていないように見えたかもしれません。
脱線しますが、私は気に入ったものを何個もまとめ買いするクセがあり、スーツは９着、靴は３足、メガネは３個等、全く同じものを複数個持っています。これは、毎回買い替える手間がめんどくさいことや、気に入ったものもすぐに廃番になってしまい、手に入れられなくなることがあるので、前もって買っておきたいと考えるからです。
もっとも、この腕時計については１個しかもっていません。
この腕時計を購入した経緯
この腕時計を購入した２００７年当時、私は入社１０年に満たない若手社員として、前向きな仕事をたくさん抱え、非常に忙しい毎日を送っていました。
今でこそ残業規制が厳しいですが、当時は規制が緩く、多くの社員が長時間残業していました。私もご多分に漏れず、当時は「月１００時間程度」は残業していました。
もちろん全ての残業について、残業代を申請していたわけではありませんが、それでもかなりの額の残業代がつき、月によっては基本給を上回るような額の残業代がついたこともあったのではないでしょうか。
この腕時計は、その頃の残業代で買いました。前向きな仕事で得た残業代で腕時計を買えば、なんだか縁起が良いような感じがして、一種のゲン担ぎで買いました。
グランドセイコーのこのモデルを購入した理由は、単純に「シンプルなデザインが気に入ったから」です。
腕時計売り場に行くと、意外とシンプルなデザインの腕時計は少ないです。そんな中で、無駄のないデザインのグランドセイコー、その中でも最もシンプルで、機能性があるように思えた、クオーツモデルのSBGT015に決めました。
私にとってパートナーのような存在
２００７年１月から２０２３年３月までの１６年以上に亘り、平日は毎日、この腕時計をしていたので、もはや私にとってはパートナーのような存在です。
日常的に使うものとしては他に、メガネ、スーツ、靴、カバン、ペン等があります。これらについても長年愛用しているものがありますが、それでもこの「１６年」には及びません。
この１６年の間、楽しいこともありましたし、辛いこともありました。仕事が順調なときも、うまくいかないときもありました。どんなときも、常に私の左腕にはこの時計をしていました。
この腕時計は、本当によい買い物をしたと思っています。今でもデザインがとても気に入っていますし、１６年経った今でも、時間のズレは年間１～２秒程度と、非常に正確に時を刻んでいます。
この腕時計を紛失したり、修理できないくらい壊れたりしない限りは、一生でもう二度と腕時計を購入することはないと思います。
おわりに
私が退職するタイミングと同時に電池が切れたということは、偶然ではないような気がします。
長年使ってきたことで、私と腕時計が一体化していたのかもしれません。
実はこの時計には、この１年くらい、「りゅうずが回らない」という不具合が発生していました。カレンダーの日付表示については、３０日が月末の月には手動で日にちを調整する必要があるのですが、りゅうずが回らないために、調整できない状態になっていました。
これまでも電池交換やオーバーホールの際には、セイコーに時計を送付して対応してもらっていました。
セイコーに電池交換や修理の依頼をすると、セイコーから腕時計を送るための「箱」が送られてきます。箱を組み立てて時計を入れ、宅配便でセイコーに送る流れです。
今回もセイコーで電池交換と、りゅうずの修理をしてもらおうと考えています。
節約の観点からは、このような値段の高い時計を買うことは「やってはいけないこと」になると思います。しかし、自分が納得し、お金を出すことに価値を見出しているのであれば、躊躇せずに買えばよいと思います。
電池交換や、定期的なオーバーホール等でそれなりに維持費がかかりますが、私は無駄な出費であるとは思いません。
これまでは「会社員生活＝日常生活」でしたので、この腕時計は日常生活で最も愛用してきたものの一つといっても過言ではありません。
FIREしたことで今後、この腕時計をする機会は減ると思いますが、一生大切に使っていきたいと考えています。
みなさんが毎日の生活で最も愛用しているものはなんですか？
